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エリザの家でのちょっとした出来事?

今朝、澪次はある違和感を覚えてゆっくりと起き上がると……。

胸元からみっくーがころころと転がるように落ちていくのをみて慌てて抱きとめる澪次。

そこでふう、と息をはいてみっくーが起きてないか確かめると安堵の溜息を小さくこぼす。

そして顔をあげて石のように硬直する澪次。

なぜなら右には深紅が澪次に寄り添うように寝ており、左にはレイナが同じく寄り添うように寝ていたのだから。


「……えーと」


突然の自体に澪次は現状をのみこめないでいた。

大声ださなかったのはべつにあげる必要もないからというのもあるだろうし。

なにより、気持ちよさそうに寝ているみっくーを起こすのは忍びない。


「「すやすや」」


いまだに眠っている深紅とレイナ。

どちらも澪次のお古のを着ているようで鎖骨がちらり、と見える。


「……とりあえず出よう」


みっくーを二人の間におこうとしたが、澪次にしがみついていてなかなか取り外せない。

これに溜息をもらしつつ、静かに部屋を出る。

リビングにいくとメイドが厨房から朝食を家主であるエリザと共に運んでいるところだった。

最初は断っていたのに無理やり手伝ったのだろう。

時々、メイドのひとは澪次になんとかエリザ達を止めてくれとお願いされたことがある。

けど、まだ自分達はマシなんだと気づいて澪次が気を使われるしまつになったのはいうまでもない。


「あら、おはよう♪ 澪次くん」

「おはようございます、澪次様」


笑顔で声をかけるエリザはにこにことどこか楽しそうだ。

まるで悪戯が成功したようなそんな表現を覚える。

そしてメイドはうやうやしくお辞儀をして挨拶をする。

様づけはやめてほしいと言ったがメイドは頑なとして首を縦にはふらずに現状維持になっている。


「義母さん、もしかして深紅とレイナを僕の部屋に連れて行った?」

「あら、どうしてそう思うの?」


じと目で見つめる澪次にエリザはにこにこ笑顔で問いかける。

否定も肯定もしないあたり、確実に彼女が原因であることは澪次には理解できた。


「この屋敷の中で義母さんいがいに誰がいるっていうのさ」

「うふふ♪ どうしてもみたい光景にしたかったらつい、ね♪ でも、深紅とレイナちゃんは満足げに思えたけど?」


澪次の言葉に舌をペロっとだしながら笑うエリザ。

どうやら実行したのはエリザだけの考えではなかったようだ。

深紅とレイナも面白いと思ってしただろうが案外落ち着いたともとれる言動である。

まあ、レイナの場合は甘えたいから寄り添っていたんだろうけど。


「アイルちゃんもそう思うわよね?」

「む? そうだな、澪次も寝ている時はとても健やかに見えたくらいだしな」


椅子に座っている澪次の親ともいえるアイルレイム。

彼女はちょくちょくここに来ては澪次の様子を確認しにくるのだとか。


「あん!」

「うわ?! ちょ!」


呆然としている澪次に飛びつく一匹の獣。

それはアイルレイムだけにしか従わない最強の獣である。

巨体ではあるが、屋敷はそれくらいで壊れるようなものではないのでそばにいる。

そんな彼の名前はリグレイムといい、敵に回すのはけしてないようにといわれるほどである。

深紅と澪次はそんなリグレイムに好かれているので、のしかかりをよく受ける。


「なんや、もう起きて抜け出してたんか」

「兄さん、早くに抜け出しすぎだよ」


私服のブラウスとスカートに身をつつんだ二人はリグレイムに顔を舐められているのをみて苦笑する。

ちなみにみっくーはというとリグレイムのぼりをしているようだ。

あの時に起きたようだが、泣かずにいたのはリグレイムだからだろう。

リグレイムとアイルレイムには懐いているので遊びに来てくれるだけでみっくーは飛び跳ねる。

そんな賑やかな光景が今現在おこっていた。

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