卑怯者くんの幼なじみさん
書いてみたいネタのひとつなのです
とある部屋でひとりの少女が制服に身を包んで鞄のチェックをしていた。
少々ぽっちゃり目で、ふんわりとした薄茶色のロングヘアを一本太おさげにして左胸に垂らしている
普段は地味なステンレスフレーム眼鏡を掛け、猫背で歩く地味娘である。
猫背で分かりづらいが、Gカップもの凶器を胸に装備している。
実はかなりの美少女だが、本人が内気で消極的なため地味に見える。
そんな彼女には幼なじみがいる。
それも保育園の頃からの付き合いなのだ。
ちなみに彼女の家は幼なじみのはす向かいにある。
幼い頃からよく遊びに向かってはいただ、そっけなくされることが多かったらしい。
彼女は昔はきょーちゃんと呼んでいたのだが、最近は呼ぶと怒り出すようになった、なので注意はしているのだが、とっさに出てしまう。
だから、呼ぶときは本当に気を付けないとと決心しているようだ。
「佳南美~? そろそろでなくていいの?」
鏡とにらめっこしている少女に声がかかる。
慌てて意識を戻す少女――佳南美。
実はこのタイミングを逃すときょーちゃん、じゃなくて恭くんとの登校が難しくなるという。
先ほども述べたとおり、自信がない彼女は私みたいな子と登校するの嫌がるかもしれないと思っている、だがそれでもそばにいたいという気持ちが高いのだ。
彼女は自分に自信なんてこれっぽちもあるわけではないけど、幼なじみにたいする想いだけには嘘をつきたくないのだろう……。
親友の少女みたく明るい子だったら改善していただろうかと、ふと考えてしまうあたりは恋する乙女。
「佳南美~?」
そこへ再度の声かけである。
彼女は姿見である鏡で己を視認してうん、と頷いて鞄を持って階段をおりた。
そこには呆れた顔の彼女の母がおり、彼女の父はどうやらもう仕事に行かれたようだ。
「まったくもう、いくらきょーちゃんが家を出るまでは時間があるからって駄目よ?」
「はい、気をつけます。 お母さん」
腰に手を当てて注意してくれるのは彼女の母の美奈江さんである。
とても美人で活発なところが人気らしい。
らしいというのは父であるの幸人さんから聞いた内容なのだとか。
でも、美人なのはおわかりいただけるだろう。
一児の母なのに今でも若さを保ったままというのが驚きなくらい美人なのだから。
彼女はそんなことを思いながらお母さんとの一緒の朝食をとり、家を出る。
ちょうど、はす向かいから根岸恭二が出てきたようだ。
高鳴る鼓動を抑えて深呼吸しながら恭二に近寄り、お決まりの挨拶といくのだろう。
「恭くん、おはようございます」
「ん? ああ、佳南美か。 はよ」
にっこりと笑って声をかける彼女に目線を一瞬だけよこしてすぐにそらす。
その行動にはある思いがあるのだが、あいにく気づくものはそうそういないだろう。




