ちょっとした深紅のお仕事
ちょっとした深紅と澪次のお仕事です
とある悪徳商人の家にて甲高いベルの音が鳴り響く。
それはとてもうるさくて侵入者を現す音だと思っていいだろう。
そんな警報が屋敷じゅうに鳴り響いてる。
どうやら誰かが屋敷を包囲している警備の目をくぐり商人の家から何かを盗みだしたようだ。
「クソ! またあいつらかっ!!」
「警備は何してたんだ!?」
リーダらしい男が舌打ちすると警察官の一人が苛立ちながら言う。
どうやらまた、というあたりからこういうことは多々あるらしいようだ。
「それが交代の時間と言う事でその時に侵入されたのではないでしょうか?」
「そんなことは分かってる! 俺が言いたいのどうして例の怪盗はこちらの情報を知っていたかだ?」
こぶとりの警察官2があっさりと言うとリーダらしい警官の男が疑問をぶつける。
「それは簡単だよ。中里警部」
「…………またお前か」
そんな時に一人のベレー帽をかぶった探偵気取り青年が現れてリーダらしい男にそう告げる。
それを聞いてリーダらしき男はまたあんたなのかという疲労困憊の疲れた様子で言う。
「当然です! 例の怪盗が現れるところ私も現れます! それが宿命ですからね」
「……どうしてだ? お前はどうしてそこまで関わろうとする?」
きりっと真面目な様子で探偵風の男言うがリーダらしき警官の男――中里は華麗にスルーして尋ねる。
「それは愚問ですね! 亡き父に変わって私が捕まえるためです。
この名探偵 要 来牙によってね」
「それで、どうやって知ったんですか?」
真剣な様子で青年いや…要来牙がどやがお混じりで告げると警察官1が不思議そうに尋ねる。
「それは簡単だよワトソンくん。 この警察内部にスパイがいたから知られたんだ。 例の義賊と名乗る連中によってな!」
要来牙は結論をそっちょくに伝えた。
まあ、そうでもなきゃ事前調査もしていたことになるだろうが。
~~~☆~~~
「もう、深紅。 わざと鳴らしたでしょ」
「あ、ばれた?」
呆れたように少年――夜瀬澪次が言うと悪びれたようすもなくそう告げる。
彼は目の前にいる水色ロングヘアーの少女と相棒関係であり、色々なところでお仕事をしているのだ。
つまり、いましていることも彼女らにとってはお仕事である。
「ばれない方がおかしいよ」
「おかんにはないしょにな☆」
呆れる澪次に深紅はウィンクしつつ告げる。
溜息をもらす彼も結構振り回されていることは間違いないだろう。
しばらくして待っている客との待ち合わせ場所までくるとのその前に深紅は行き、奪還したものを渡す。
「あ、ありがとうございます! 父の形見を取り戻してくれて! なんとお礼をいえばよいのやらっ」
依頼主は女性のようで本当に嬉しそうに見えた。
大事に奪還されたペンダントを握り締め、なんども頭をさげている。
「これくらいしかできませんが、なにかあったらこちらに連絡を」
「それにこれくらいするのがわっちらのムーンウルフの決まりやからな☆」
そう澪次は言って一枚の手紙を女性に手渡し、深紅はニカッと笑うのだった。
こういう仕事もたまにあるのです!




