ぷち達のハロウィン?
一日遅れかな?
それともちょうどかな?
「ないない♪」
「やで~♪」
「くじゅ♪」
つぐぴょんはとんがり帽子に黒いローブを羽織って魔女の格好をしているようだ。
みっくーは着物を着ているようだが、そのまんまでも問題ないような。
くじゅーのほうはというと吸血鬼の格好をしていた。
どちらを見ても愛らしいという感想しかないが……。
「いつ見てもこのイベントだけは慣れないな~」
「こ、これだけ大きいなら仕方ないんじゃないかな?」
「そうやな、学園主催でのハロウィンやからしゃーないやろ」
「デも、楽しクなルでスよ?」
魔女の姿をしたつぐみの隣で猫娘の格好をしたみなもが苦笑する。
深紅は吸血鬼の格好をしているようで、明香は犬娘の格好をしているようだ。
もはや、どこがハロウィンなのかがわかりづらいといえるだろう。
ちなみに、現在つぐみ達がいるのは学園にあるパーティーホールにいたりする。
ここでは、色々なイベントを開催するときに使用されているとか。
「みゅ~♪」
「ひよ~♪」
『可愛い~♪ ほらほら、おかしあげるよ~?』
つぐぴょんがこばりに近寄り、両手を挙げてなにか言っているようだ。
こばりの衣装はアイヌ民の衣装を着ており、フキの葉をもっているみたいだ。
その姿にほっこりしていた人達がおかしを恵んでいるのが見える。
「なんだか、ぷち達の方が人気だよね。 見ていて癒されるから問題ないけど」
「ひばりちゃんもそう思うよね。 ぷち達が楽しそうにしてればいいもんね」
つぐみとひばりはにこにこと楽しそうに、いや、微笑ましそうにぷち達のやりとりを眺めていた。
ちなみにひばりはつぐみと同じ衣装を着ていたりする。
まあ、二人共にずり落ちそうな部分はあるがある部分で落ちないようになっていたり……。
「ひゃううっ……やっぱり恥ずかしいよう////」
「にあってるからそんなに気にすることじゃないだろ?」
秀久の背後に隠れるみなも。
そんな彼女に呆れながら声をかける秀久。
少々頬が赤いのは彼女の可愛らしさによるものだろう。
「ヒデ~♪」
「だああああ! 抱きつこうとするなー!」
と、ここで明香が走ってきたのでみなもから離れる。
その一瞬のうちに明香に飛びつかれそうになり、逃げ出す秀久。
異性との接触は本当に苦手なようだが、自分からなら問題はないというのが本人の弁である。
「おいおい……あいつら、またやってるのか?」
「あ、光一きゅ……~~っ」
呆然と見送るみなもに近寄ったのは光一だ。
声に気づいて振り向いて口を開くが噛んでしまい、涙目になる。
それに苦笑しながらみなもの頭を撫でる光一なのであった。
「深紅、トリックオアトリート♪」
「お、レイナやないか! その姿綺麗やな~♪ てなわけで、ほい」
「やで~!」
声がかかり、振り向くと親友のレイナがいたので笑みを見せてキャンディーを渡す。
そこへ不意打ちにみっくーがレイナにトリックオアトリートと声をかけた。
なんという連携ぷりだろうか、それとも似たもの同士だからか。
「みっくー、今日も元気だね~♪ はい、お菓子だよ」
「あむあむ♪」
みっくーはレイナからペロキャンをもらって食べていた。
嬉しいのか狐耳と尾がパタパタ、と動きまくっているのがわかる。
そのみっくーのうしろから澪次が現れて微笑みながら見つめている。
「澪次、トリックオアトリートやで♪」
「深紅になら悪戯されてもいいけど、ここはお菓子でね」
深紅が笑顔で近寄るとくすり、と笑いながらパンプキンのパイをひと切れ渡す。
それを受け取りながら澪次の姿を眺める。
スーツに燕尾服といういでたちがサマになっている澪次はかなり人気だ。
「やで~!」
「はいはい、次にいこうか」
みっくーに呼ばれて澪次は苦笑しながら抱き上げて歩いていく。
どうやら一緒に回っていたようである。
その姿を見送りながら深紅とレイナは苦笑を浮かべていたのだった。




