季節の思いつき
「みゅ~」
「最近、季節の変わり目があるから天の川が見えないかもね」
ベランダから空を見上げて悲し気に鳴くつぐぴょんの頭を撫でるつぐみ。
それに気づいて苦笑するのだが、彼女自身も残念だと思っていたりする。
「ないない!」
「え、どこかに出かけるの? ひとりでだいじょ…って行っちゃった(汗」
とてとて~と走り出すつぐぴょんを見てぽかーんとするが、気になるのであとを追いかけることに。
まあ、想定できることなのだが、それでもなにかあっては嫌なのである。
「ないない♪」
瀬川家のインターホンをどこからだしたかわからないステッキで押す。
「………(はーい、ってつぐぴょんちゃん、どうしたの?)」
ドアを開けたのは芹香でしゃがんで優しい声で問いかける。
「みゅ~!」
「かっか♪」
つぐぴょんが鳴くとせりかさんが芹香の胸元から顔を出した。
いつものことだからスルーしておくべきなのだろう。
「芹ちゃん」
「……(つぐちゃん、つぐぴょんちゃんはどうしたの)……?」
話し合うぷち二匹を見て駆け寄るつぐみに問いかける芹香。
「うーん、台風の影響で天の川が見えないかもってことだけなのを話したくらいかな」
「………(なるほど)」
つぐみと芹香はそんな会話をしながら話を盛り上げている二匹に視線を映す。
「ないない♪」
「せりかっか♪」
すると突然、不思議穴をひらいて二匹は飛び込む。
「Aさんちかな」
「…………(うん、ほぼ間違いないと思う)」
それを見て苦笑する芹香とつぐみ。
Aさんとは二人の知り合いでぷちたちの保護活動をしているぷち愛にみちた人物である。