事故での召喚
茶色の長い髪で腰にかかるくらいふわふわな少女が横断歩道を歩いているとスマートフォンに着信があった。
彼女が通話ボタンを押した瞬間、スマートフォンが突然猛烈な光を放ち、光に飲み込まれた
彼女――岸波きしなみ 鈴りんは、知らない場所へとほおりだされていた。
「こ、ここどこー!?」
思わず冷静な自分をほおりだして叫ぶ鈴。
その声につられたのか、がさがさと樹をかきわけて歩み寄るのがいた。
それはアニメでよく見るオークであった。
「ひっ!」
思わず銃で撃つようにして手を拳銃のようにしてオークを向けて放つと黒い弾丸が直撃するが、それでも迫ってくるのに撃ちつづけながら彼女は逃げようと走る。
「せえぇェりゃ!」
赤いへんなかたち剣を上から振り下ろす少女がオークを真っ二つに切り裂いた。
片手をついて着地して少女の前に躍り出る褐色肌で白い髪まじりの少女。
「深紅、勝手に出て行くなとあれほど」
「仕方ないさ、どこからともなく知った音が聞こえたのだから向かうだろう」
モンクであろう男性で片目に眼帯をしている黒髪の青年と双剣と弓をもつがたいの良い少年があとから飛び出してきて、オークの集団を切り捨てていく。
その様子を鈴は呆然と眺めていた。
「あんさん、大丈夫やえ?」
「あ、はい!」
飄々とした聞き返しに思わず姿勢をただす鈴であった。
かなり緊張しているのだろう。
それでも目の前の彼女は地面を蹴り、剣でオークの腕や足を剣で切り裂いていく。
それがしばらく続いたころ、全滅したのだろう時に、獲物を二つもつがたいのよい少年が鈴に近寄ると手を差し伸べる。
「大丈夫か?」
「あ、はい。 あ、ありがとうございました!」
手をつかんで引き寄せて起こしてもらう鈴。
「君は・・・・平行世界の異世界から来たのか?」
「え、そうですけど」
少年の問いに少女はうなずいた。
視線は彼女の手にあるスマホにいっている。
「・・・そうか。 学校の制服だな、それは」
懐かしそうに眼を細める少年に鈴は首をかしげている。
「えっと、その様子だとあなたも?」
「いや、地球に異変が起きて移り住んで馴染んだ住人さ。 キミとは違うな。
俺の名は如月赤羽だ、よろしく」
鈴の問いに彼は首を横にふり、否定し自己紹介をして握手を求める。
「き、岸波鈴です」
と、緊張しながら握手を返す鈴。
「深紅、一人で先行するな、危ないだろ」
「大丈夫やって、ここらへんでてこずるのはそうそうでてきいひんし」
眼帯の男性に怒られている和風のサムライふうの少女。
「あっちで怒っているのは炎心で深紅の彼氏だ。 深紅というのは怒られているほうだ」
「そ、そうなんですか。 あの、危機一髪のことろありがとうございます!」
と、頭をさげる鈴。
「困ったときはお互い様や」
「同意はしたくないが、そうだな」
「ここは危ない、ディアスロンド都市へ向かおう」
へらへらと笑う深紅と苦笑している炎心と鈴を促す赤羽。
「せやな、そこで彼女をうけいれて」
「あの、わたしもこのパーティにいれてください! 頑張りますから!」
深紅の言葉をさえぎり、鈴はそういうと驚いた様子で注目される。
「ダメだ、なんの知識もないのに」
「覚えていきます、おいて行かれないようにするので!」
赤羽がそう言っても彼女は意思を曲げないでいた。
「えぇんやない、独り身は寂しいと思うやろ?」
「深紅、ちゃかさない」
ニヤニヤと赤羽をつつき、取りなされる深紅。