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裕樹と裕香とみなも(プールversion)

裕樹の知り合いのつてでプールにきたみなもたち。

パラソルを立てて、準備運動をする裕樹。

彼の鍛えこまれた肉体があらわになっており、周囲の女子たちは釘づけのようだ。

まあ、そんなことに彼は気づいていないだろうが。


「ユウ兄ちゃーん!」

「裕香ちゃん、走ったら危ないですよ?」


そこへ、裕香とみなもが裕樹の方へと向かってくる。

裕香は赤いワンピースの水着で片手に浮輪をもっている。

みなもは白いビキニに陽光で輝く銅の髪が映える。首の後ろで結ばれている紐と胸元、腰には小さな赤いリボンがアクセントとなっている。

銅色の長い髪を後ろにまとめて束ねているようだ。

白い肌はきめ細やかで、腰はくびれて手足も長くスタイルはかなりのものだ。彼女の動きに合わせて大きな胸が揺れる。

おぉ……と周りから歓声が上がり、ぴゅいーと口笛をふいているものもいるようだ。


「みぃ~♪」

「うん、おそろいだね? みなちゃん」


足元でなくみなちゃんを抱き上げる裕香は頬ずりをする。

まるで姉妹のようである。


「あ、あの・・・裕樹さん」

「ん? どした?」


もじもじしながら声をかけるみなもに裕樹は不思議そうに見つめる。

裕香は気づいて頑張れ~という念をおくっていた。


「こ、このみじゅぎ・・・ど、どうれしょうか」


かみかみではあるが、なんとか言えたようである。

頑張って聞いた彼の答えは!


「ああ、とても似合ってるよ」

「・・・・そうですか。 わかってましたよ、そんな感じになるって」


と、答えるのだがうれしくもあり複雑な気分になるみなも。

それは無理もないだろう。

裕香はがっくりと頭をたれており、みなちゃんは不思議そうに首をかしげていた。


「??? 俺、なにか悪いことしたか?」

「いいえ、いいんです。 裕樹さんの場合、いつものことですから」

「みなも姉ちゃん、次を頑張ろう!」


裕樹は彼女が落ち込んでいる理由が思い浮かばずに困惑し、みなもは哀愁を漂わせていた。

そんな彼女を励まそうと声をかける裕香。


「よくわからんが、すまん」

「ユウ兄ちゃん、わからないのに謝るのはどうかと」

「うぅ、頑張って選んできたのに」


不思議そうにしつつも謝る裕樹に裕香はじと目で見ているようだった。

みなもはみなもであんまり好感触ととれなかったために落ち込んでいるようである。


「み、みぃ!」

「そ、そうだよ! ここに来たんだから遊ぼうよ!」


みなちゃんの言葉に同意する裕香。

それからみなもは笑顔でうなずいて裕樹はなんか失敗したかと想いつつも、一緒に歩いて大プールへと向かうのであった。

それぞれ、恋人同士のじゃれあいなるものが繰り広げられている光景にみなもは赤くなる。


「みなも姉ちゃん、大丈夫?」

「う、うん。 大丈夫」


裕香の問いにみなもは笑顔でうなずいた。

そしてプールにはいり、裕樹に泳ぐための練習を手伝ってもらっていた。

最初は落ち込みではあったけど、なかなかに楽しい一日になりそうであった。

ひととおり、泳ぎ終わった後。


「なんか飲み物買ってくるわ」

「え、わたしがいきますよ?」

「いいから」


裕樹はそう言ってあるいて言った。

みなちゃんは裕樹の肩に飛び乗ると満足そうにしている。


「お前はほんとうにのるのすきだよな」

「みぃ?」


裕樹の苦笑に首をかしげるみなちゃん。

屋台らしき場所で飲み物を購入し、もちろん裕樹はコーラで裕香はココアでみなもはアイスコーヒーである。


「んくんく」


みなちゃんは裕樹の肩の上でおいしそうにオレンジジュースを飲んでいた。

裕樹が戻ると、ナンパ野郎にからまれているみなもと彼女から離れないようにしがみついてる裕香。

そっと、みなちゃんをおろして飲み物をおいて、いこうとしていると。


「ふんぬぅ!」

「りゅーさん? あずかってくれるのか? サンキュー」


りゅーさんにみなちゃんと飲み物を渡して、急いで向かう。


「だ、だから人と一緒なんです!」

「いいじゃねーか、俺たちと楽しもうぜ?」

「みなも姉ちゃんから離れろー!!」


腕をつかまれて抵抗するみなもと必死に抱き着いている裕香。

舌打ちして腕を振り上げて裕香をたたこうとするそこへ。


「俺の彼女と妹になんか用か?」


ぱしっと腕をつかんで止める裕樹の目は冷たい。

ぞっとした野郎たちは、そそくさと逃げていくのであった。

勝ち目がないと思ったのだろう。


「大丈夫か? みなも、裕香」

「ユウ兄ちゃーーーん!!」

「裕樹さーーーーん!!」


振りむいて言うと裕香とみなもに抱き着かれて、たたらを踏む裕樹。

怖かったのだろう、涙を流していることがよくわかる。

頭や背中を撫でて落ち着かせようと裕樹はつとめた。

そこへりゅーさんがせりかさんを連れてきて、どこか楽しそうな笑顔を浮かべていたのはいうまでもない。

裕樹はその笑顔にああ、やつらは餌食になったかと悟ったそうな。

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