富士也の贅沢な悩み
「相談にのってくれ!」
「また、いつもの中級精霊さんのこと?」
「わっふ~♪」
つぐみの家に来て、土下座をする富士也につぐみは呆れた視線をおくる。
ブラシでルイセの毛並みをととのえながらだが。
「今回は前よりパワフルなアプローチがきてだな!」
「まいどまいどごちそうさまな話をしにくるよね、フジくんは」
慌てている富士也につぐみは溜息をもらす。
「まあ、それが富士也だし。 しゃーないだろ」
「それですますのもどうかと思うんだけど」
兼人は漫画本を読みながら言うとひばりがじと目で見て呆れていた。
「いっそ、受け入れちまえば?」
「あんな大人数無理に決まってるだろ!」
綾香が笑いながら言うと即、無理と判断する富士也。
「でも、困ってるんやろ?」
「それは、そうなんだが・・・・」
深紅の問いにうつむく富士也。
「えっと、制限もしくは制約はしなかったの?」
「いや、してないな」
ひばりの問いに富士也はきょとんとした様子で答える。
「というか、天城さんは誤解をされやすいことばかりするから女性に人気になるんですよ?」
「そうだね、中級精霊もそれであつまってきたみたいなもんらしいし」
呆れているみなもとひばり。
気まずそうに視線をそらす富士也。
「自分は一途なんだ!ってところを見せたらかわるかもしれないよ?」
「それができたら苦労しないつーか」
つぐみがルイセに首輪をつけながら話すが富士也の反応は煮え切らない。
「ははぁ、さてはそんな人物がいないからこうもあっさり貞操が奪われそうになっているんじゃないかな?
どうかな、ふーくん? お姉さんの考えあたりでしょ」
響の得意げな笑顔にますます居心地悪そうに視線をそらしている。
「きちんとした制約もしないからそうなるんだよ? 中級精霊は力をかしに来てはいるけど、それとどうじに天城くんに特別な意味ももってるはずなんだからね」
ひばりは腰に手を当ててお叱りモードである。
「あと、富士也は気をもらしすぎですかね」
「気って?」
晃希はケーキをくばりながら言うとつぐみは受け取りテーブルにおいて尋ねる。
「その人にしかない特別なものですよ。 いわば、魔力みたいなもんですね
気も魔力もある意味で似たようなもんですし、その人にしかない色があるんですよ
そのなかでも格別天城さんのはおいしいのでしょうね」
「ふ~ん、おいしいのと優しいのとで自分で墓穴ほっちまってるわけか」
「えぇ、本来なら垂れ流しにならないように修業をつむことで制御できるようなもんなんですけどね」
綾香がケーキを食べながら言うと晃希はにっこりと笑ってそう言った。
リクエスト二回目ですのん