晃希の修業編?
「さて、ではさっそくまいりましょうか」
「いや、待ってほしいんじゃが」
「なんで、俺らも巻き添えなんだよ」
笑顔で話しかける美青年――狩谷晃希に中岡心と野上大輝が不服そうにしている姿があった。
そもそもどうしてこうなったのか理由が知りたいと思われる。
「嫌だな~。 昨日、電話でいいましたよね?」
「修業するっていう話じゃろうか」
「それで、なんで俺らまでなんだよ。 マミ先生に会えないじゃないか!!」
にこにこ笑顔で言う彼に苦笑を浮かべる心といやだいやだと暴れている大輝。
まあ、無理もないであろうが、それを聞く彼ではない。
「さあ、いきましょう!」
「ちょ、本当に待ってほしいんじゃが!?」
「ま、まみ先生ぇぇぇぇぇっ!!!?」
二人の首に首輪をつけて歩き出す晃希。
あの細身な体にどんな筋力があるというのだろうか。
まず、山にゆき、重りをつけて3人で山を歩くこととなった。
その次は川にはいり、激流にのまれながら泳ぐという危険な行為。
良い子は絶対マネしてはいけません!
滝に褌に一ちょだけの姿でうたれるなんてこともあった。
落ちてくる岩を壊せなどもあったりする。
結構むちゃくちゃなやりかたといえよう。
しばらくして古びた洋館があり、そこにはいると電気をつけて、部屋に荷物を置いて近くにある道場へと向かう。
まさに休む暇もなく作業といえるであろう。
竹刀を二人にもたせて、晃希はかかってくるように言うと二人は気迫に怖気づきそうになりながらもツッコんでいくが、あしらわれたり、面撃ちされたりなどどいうことが行われた。
それにより、心も大輝もかなりボロボロになっている。
お風呂につかるときも傷だらけの部分がしみるということが。
そして早朝の5時に起こされて、マラソンすることになる。
もちろんこちらも重りをつけての走る。
脚力をたかめるためとはいえ、体を壊さないかが心配だといえるであろう。
そんなことを毎日していると、耐えきれないものがたいていはでてくるものだ。
「もう、無理だ! 俺は脱走する!」
「やめとけ、晃希に追いかけられてさらに修業相手兼俺たちの修業も厳しくなるだけじゃ」
部屋でだれていると大輝はそう宣言し、荷物をもって外にそろりそろりと抜き足差し足忍び足で逃げ出す。
あえてそれを見送る心。
なぜなら、気づかれないはずがないのに、それをあえて宣言するのだから。
あるいみバカであるといわれるであろう。
それを理解しているからこそ、彼は抜け出さないことにした。
「よし、もうちょっとだ!」
「なにがもうちょっとなんですか?」
嬉しそうに言う大輝の真後ろから声がする。
ブリキの壊れたような振り向きをすると笑顔で腕をくんでいる晃希がそこにはいた。
なぜだ、気づかれないように出てきたというのに。
「気配とオーラを隠すのへたですねぇ。 それじゃ見つけてくれと言ってるもんですよ?」
竹刀で自分の肩をたたいている晃希。
その間も変わらず笑顔である。
「も、もううんざりなんだ! あんな修業ばかりしたら壊れちまう! もしくは死んじまう!
だから、俺は行く! 待っててね、まみ先生! あなたの騎士がいきますよ~♪」
それだけを言うと走り出した。
いままでの修業の成果なのか息切れもしにくくなっていたし、足も走ってもへこたれないほどになっていた。
だが、その後ろを晃希が笑顔で追いかけてきた。
手には竹刀があり、まっすぐ大輝をおいかけてきている。
「な、なんで息もきれてないんだよおおおおおおお!!?」
「この程度で息なんてきらしては戦えませんから」
逃げる大輝と追いかける晃希の壮絶な”鬼ごっこ”がはじまった。
途中でいるはずのない大蛇や大熊や大虎や大サソリなどが乱入してきたが、そのたびにスピードが緩む大輝にたいし、晃希はすこしもスピードをゆるめずになにごともなく倒していく。
大岩が転がってこようが鉄球がふってこようが槍がふろうが、彼はつねに笑顔である。
そんな彼に追いかけられて恐怖を覚えないはずがない。
え、この間の心はどうしたのかって?
それは由香里が九蘭の家をつかい、捜索し、心を救出したそうな。
まあ、すぐに見つかったのは真人のある言葉が原因であったとか。
その原因は彼がお気に入りの場所をダチにかしていることからはじまる。
そのダチとは晃希であり、阿修羅も真っ青なことをすることで有名なことをするのはこの二人くらいかもしれない。
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