ぷちと七夕
霜月会長主催の七夕祭りが島全体に繰り広げられている。
彼女はいつもの楽しそうな笑みを浮かべて生徒会の部下たちを動かしているのだろう。
繁華街のある場所の中央に笹が置かれており、そこに短冊をくくりつけるようにとのおおせである。
周りには出店も並んでおり、まじでお祭りじみている状態だ。
空の調子もいいので天の川も無事みれるだろうことは島にいる住民全員がわかりきっていることだ。
「ないない~♪」
つぐぴょんはぷち専用短冊にクレヨンでなにかを書いているようだ。
きっといつまでも仲良しなみんなと過ごせますようにと書かれているのだろう。
「ほーら、つぐぴょん。 飾られるか?」
「みゅ!」
龍星におんぶしてもらい、笹に願いを書いた短冊をつるすつぐぴょん。
無事につるせてご機嫌なのかうさみみがせわしなく動いているようだ。
「兼人にはできない所業だね」
「んだと、つぐみもできねーだろうが!?」
つぐみがぽつりと言うとくってかかる兼人。
七夕の日なのだから喧嘩しないでもらいたいのだが。
「みゅー!」
「わふ!」
つぐみと兼人を見て注意するつぐぴょんとつぐみの愛狼のルイセが鳴く。
「あはは、怒られてもうてるやん」
「まあ、仕方ないよ。 あの二人は昔からああみたいだし」
「はあ、そう、なんですか」
それを見てカメラに収める深紅に澪次はくすくすと笑っていた。
その隣には白い髪のオッドアイの少女がおり、不思議そうに首をかしげていた。
「やで!」
「せりかっか!」
「ふんぬぅ!」
みっくーはというとせりかさんとりゅーさんに渡された短冊を渡していっているようだ。
それをせりかさんとりゅーさんがそれぞれジャンプしたり、手をみょいんと伸ばしたりして飾っていくのがわかる。
「これはどう反応したらいいんでしょうか」
「こればかりはこの二匹だからで、すむしな」
「せりかさんとりゅーさんはほんとうに謎だよね? みなちゃん」
「みぃ!」
みなもは浴衣姿でかんざしをつけて苦笑を浮かべていた。
もちろん、裕樹と裕香も浴衣姿で内輪をもっているようである。
みなちゃんは裕香とおそろいのようだ。
『つぐちゃん、七夕は悲しいのなんだからね? 喧嘩はだめだよ』
「うみゅう、ごめんなさい。 芹姉ちゃん」
「だって、芹姉さん。 つぐみが」
浴衣姿にかんざしをつけている芹香に叱られて落ち込むつぐみ。
だが、兼人は納得がいかない様子である。
「こればかりは二人が悪いよ! ね、こばり」
「ぴよ!」
そんな二人に近寄るのは我らが最初のアイドルひばりんとこばりんである。
ちなみに深紅がひばりとこばりに浴衣を着付けているのでよくお似合いである。
「まあまあ、ひばりん、こばりん♪ この二人はいつものことだから」
「いや、それですますのもどうかと思うんだが(汗」
響がくすくすと笑い、ひばりの恋人候補の義明がいつのまにかひばりの隣に来て呆れていた。
「わきゅ~♪」
「しろしろもかけましたの?」
「そうみたいですね、ふふ。 可愛らしい肉球のマークがありますよ」
その一方ではラブラブ空間をかもしだす晃希と白姫としろしろがいた。