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深紅の朝

 早朝の5時には深紅は目を覚まして行動する。

それが彼女の日常といえるであろう。

つまり彼女の朝は早い!


「・・・・また、あの夢なんか。 まあ、慣れてもうたけど」

思い出してひとりごちにぽつりとつぶやく深紅。

口調が違うように思えるのは彼女の特性ゆえかもしれない。

もしくは別の人格なのかもしれない。

ベッドから彼女は起き上がると布団がずり落ちて男物のシャツがあらわになる。

どうやら彼女が愛用しているパジャマは男物のシャツのようだ。


「やで~(くしくし」

深紅が起きたことにより、みっくーが目をこすりながら起き上がる。

狐耳がぴくぴくと動いており、狐しっぽは少し不満げに揺れている。

もしかしたら寝たりないのかもしれない。


「ん? 起こしてもうたんか」

「やでぇ」

苦笑を浮かべながら彼女がいうと眠そうな目でうなずくみっくー。


「堪忍な、次はうまくやるさかい」

「やで!やでで!」

そういいながらみっくーの頭をわしゃわしゃと撫でて告げる深紅。

本当に気を付けてほしいで!というプラカードを掲げるみっくーだった。

苦笑を浮かべつつ、深紅はシャツからタンクトップと短パンに着替えて、長い髪をひとくくりにする。

これでひとまずの準備完了である。

みっくーはパジャマから制服に着替えて深紅に近寄る。

手にはブラシがあり、膝の上にのせてみっくーのしっぽと耳を丁寧にブラッシングする。

かなり気持ちよいのかゲル状になりそうなほどとろけ顔をするみっくーがいた。

すると深紅はみっくーをつかんで頭の上に乗せてから部屋を出るとちょうど美桜と顔合わせした。


「あら、深紅ちゃんにみっくーちゃん。 おはよう♪ あ、ちょうどよかったわ♪ はい、これ」

「おおきにな」

「やで!」

 そう言いながら美桜からタオルを一枚と水分補給の水を渡される。

どうやら深紅の行動を完全に理解しているようだ。

「おおきに、そんじゃ、行ってくるで」

「やで~!」

「はい、行ってらっしゃーい♪」

深紅はそう言って礼を言うとみっくーを落とさないようにして廊下を歩いて、玄関へと向かうのだった。

そして、靴を履いて玄関から出てすぐに足の屈伸をしてから走り出した。

みっくーは落ちないように深紅にしがみついているようだ。

その様子を笑顔で美桜は見送るのであった。


「やあ、深紅」

「おはようさん、今日も早いやんな」

走っている途中で同じようにジョギングする澪次と出会い、そこで会話をしながら走る。

その間、息切れなんてことは全然なかったのだ。


「ふふ♪」

「やでぇ♪」

レイくんとみっくーは仲良く楽しい会話をしているようだ。

まあ、この二匹は頭の上で垂れているので疲れはないだろう。

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