かき氷をせがまれて
オリぷちを更新ですっ
「よし、これはしま……つぐぴょん、手を離してくれないかな?」
「みゅー?」
つぐみが家でかき氷機をしまおうとしていると、小さな手がはばむ。
不思議そうにかき氷機を見ていることから興味本位であることがわかる。
それに困りながらもつぐみはつぐぴょんを見つめて。
「これはかき氷を作る機械だよ? これで美味しいのが作れるの」
「みゅー!? ないない!ないない!」
と、笑顔で説明するとつぐぴょんのまんまるおめめが輝いていた。
それはもう興奮気味でつぐみを見つめている。
気圧されそうになりながらもつぐみはたえつつ、つぐぴょんを見る。
「で、でもね……もう九月だし。 気温も下がりつつあるからいらないでしょ」
「みゅ~」
「ぷ~」
とつぐぴょんにわかるように説明するのだが、うるうるとこちらを見つめるつぐぴょんともう一人。
「そ、そんな目でみないでようっ! って、騎士王もなの!?」
キラキラとこちらを見つめるつぐぴょんとなぜか現界してデフォルメされた存在の騎士王がいた。
騎士王はつぐみの異能力で呼び出される最強の攻防の剣だ。
なぜか、異能力をえてからちょくちょくとデフォメル状態で現れることが多い。
「みゅ~」
「ぷぷ~」
つぐみの驚きも気にもせずに見つめるつぐぴょんとぷち騎士王。
彼女らとしてはかき氷の方が気になるのだろう。
「わ、わかったよ。 作るから、その目はやめて」
「ないよ~♪」
「ぷ~♪」
うなだれながら承諾するとつぐぴょんとぷち騎士王は飛び跳ねて喜んでいた。
「そうなると、氷を作らないとね」
つぐみはそう言うと丸いタッパに水をいれて蓋をしめて冷凍庫にいれようとすると。
スカートを惹かれる感覚に気づいて視線を落とすと。
「つぐ」
「……あ、うん。 ありがとう、ぷちAくん」
氷を差し出してきたぷちAがいたのだ。
どこから入ってきたのだとツッコミをいれたいのを抑えながら受け取るつぐみ。
まあ、彼には不思議な力があるのでそれを使ってきたのだろうことは予測済みなのだが……。
「ないない~♪」
「ぷ~」
つぐぴょんとぷち騎士王はぺこりとぷちAにお礼を言って頭を下げている。
その姿はとても愛らしくぷちマニアがみたら写真を撮りまくること間違いないだろう。
「さて、私は作ってくるけど、ぷちAくんはどうする?」
「つぐ」
つぐみはペンギン型のかき氷機に氷をいれながら問いかける。
ぷちAはつぐぴょんとぷち騎士王の方を見る。
「じゃあ、つぐぴょん達のことお願いね」
「うむ」
つぐみに頼まれたぷちAはつぐぴょんとぷち騎士王の手を引いて台所から離れる。
見送りながらつぐみはかき氷をいれる器をセットして、かき氷機のレバーを動かしていく。
暫くしてかき氷とかき氷にかけるシロップを手に、リビングに向かうつぐみ。
リビングではぷちAに絵本を読んでもらっているつぐぴょんとぷち騎士王がいた。
気配に気づいた3匹は振り向いてつぐみを見つめる。
「はい、どうぞ♪ シロップはメロンとイチゴとレモンがあるよ?」
「みゅ~♪」
「ぷ~♪」
「うむ」
そう言いながらかき氷を三匹の前に置いた。
シロップはどれにするかを聞くのも忘れずに聞いておくつぐみ。
「ない!」
「ぷ!」
「うむ」
つぐぴょんはメロンをぷち騎士王はイチゴをぷちAはレモンを選んだようだ。
それを手に取り、かき氷にシロップをかけていくつぐみ。
「はい、召し上がれ♪」
「みゅ~♪ あむあむ……~~っ!」
「ぷ~♪ あむあむ……~~っ!」
「うむ、あむあむ」
笑顔でつぐみが言うとつぐぴょんとぷち騎士王は勢いよく食べ始めて、頭にキーンと痛みがきていた。
ぷちAは焦らず食べているようだった。
それを見たつぐぴょんとぷち騎士王はぷちAをお手本にしながらゆるりと食べ始める。
「はみゅ~♪」
「ぷ~♪」
「うむ♪」
美味しそうに食べるぷち達を見つめてつぐみは微笑んでから、片付けを始めるのだった。