力の覚醒?
熱い、それはとても熱いとなぜか感じてあたしは起きる。
ゆっくりとあたしが目をあけるとそこは一面全部が炎だった。
熱さの原因はこれかとおもい、痛むからだをおして起き上がる。
痛む?なぜこんなにも体が痛いのだろう?
そう思い、身を起こして周りをみるとなにかが傾いているように思えた。
ビルの崩壊かなにかで火災でも起きているのだろうか。
周りは火の勢いでところどころ崩れ落ちているように思える。
いったいなにが起こったのだろうか、そうぼんやりしながら思っていると。
なにかの光をみつけてあたしは足をひきずりながら近寄る。
自分のほかにも人がいるのかもしれないと思っての行動だった。
でも、これが間違いだったと今のあたしにはわからなかったのだ。
「ふむ、思ったより傷が深いやつしかいないか・・・・」
近づくにつれて声が聞こえてきたのでその内容を聞いてあたしは首をかしげた。
その内容が内容でよくわからなかったというのもあるだろう。
「これでは実験のしようもないではないか」
やれやれといった様子がなんとなくわかった。
なにをそんなにげんなりしているのだろうかと思いつつ声をかけようとするあたし。
「あ、あの・・・」
「ほう、生き残りがいたか・・・・。いや、ちょうどいいかもしれんな」
おずおずと声をかけると、いかにも社会人といった感じのスーツの男性が振り向いて笑った。
なぜか、それに背筋が凍るようなさっかくにおちいった。
もしかすると無意識にその男性に恐怖を覚えたのかもしれない。
「言ってるいみが理解できないんですけど・・・・」
「わからなくていいさ、君はこれから実験に使われるんだからね」
男性は柔和な笑みを浮かべて一歩、また一歩とあたしに近寄る。
でも、あたしは男性が近寄るたびに下がるのだが、もう後がないくらい下がってしまった。
一瞬後ろを見ていたら、脚になにかが巻きついてひきずられてしまうあたし。
「いやあぁぁぁ!!?」
スカートを抑えながら悲鳴をあげるあたしに男性は表情すらかえずに、赤い石を取り出して胸元に押し当てる。
すると、焼け付くような痛みがあたしを襲った。
「うあぁぁぁぁ!!!?」
熱い!熱い!熱い!まるで体じゅうを炎で焼かれるようなそんな痛みがあたしにかけめぐる。
ずぶすぶと胸元にはいっていくたびに体に熱さがあふれてくる。
男性はそれ見て楽しそうに笑いながら手を離すと・・・・。
「さて、後はここからどうなるか見学させてもらおうかな」
そういいながら男性はどこかに歩いていく。
熱さと痛みに耐えながら胸元を押さえて苦しむあたしをおいて。
いつのまにか足にまきついていたなにかも消えていた。
めきめきと体のどこかのきしむ音も聞こえてきた。
体に変異でも起きているのだろうか。
そんなことを他人事のように思いながらも床を転がり、苦しみに耐える。
片手を床に手をついていると、手と腕に異変が起きていた。
なぜなら黒く変色し、つめがまるで獣のようにとがりはじめていたからだ。
体が別のなにかに作り変えられていく感覚があたしにはあった。
あたしが人ではなくなっていく感覚もともにあったけど、ここから出ないといけないと思い。
腕に力をこめて立ち上がり、窓ガラスがある場所に近寄りそこを異形のつめで破壊し、そこから飛び出す。
どうやら高い位置だったみたいだが、背中から翼が生えてそれで体制を立て直しをしてひとけのないところの地面に着地する。