炎心と深紅の娘
またまた短い(涙)
「深華~、どこにおるん?」
「おかしいな、さっきまでここにいたはずなのに」
水色のロングヘアーで着物を着た深紅と同じく着物を着た炎心は庭の周囲を見ていた。
「なーに~?」
ぽふっという音とともに深紅は後ろから抱きつかれていることに気づいた。
「深華、もしかして隠れとったん?」
「ちがうよ~、あのねといれにいってたの」
深紅が振り向いて聞くと炎心と同じように眼帯をつけた小さな少女が答えた。
「そうか。でも、だめじゃないか。ちゃんと声をかけてくれないと」
「ごめんなさい、おとうさん、おかあさん」
炎心はしゃがんで視線を合わせるとしょんぼりしながら謝る深華。
「今日はそれの調整に行くんやから、おとなしゅうせんとな」
「うん・・・・・ちょーせーしないとからだにわるいんだよね?」
深紅が深華の頭を撫でて言うと深華は己の眼帯を触りながら言う。
二人はうなずいて苦笑を浮かべる。
炎心と同じ目をもっているために毎日の調整はかかさない深華。
娘も同じ目をもつことになり、苦しくも思いつつもやさしく包み込む炎心。
そんな二人をみて強く守ろうと決心する深紅。
こういった家族はとても絆が強いといえるだろう。
「調整が早く終わったら遊園地でもいくか?」
「いいの!?」
炎心が問いかけると目をキラキラと輝かせる深華。
それを見て笑顔でうなずく炎心。
「よかったなぁ、深華の好きなもん乗れるで」
「うん、みかがんばるね!」
笑顔で深紅が笑いかけると深華はますますやる気をだしているようだ。
それから3人で和の趣のある家を出て調整をしてくれる店へと向かった。
「やあ、いらっしゃい。今日は深華ちゃんのでよかったかな?」
「ああ、頼めるか」
出てきた紫がかった髪の男性が問いかけると炎心はうなずいた。
「任せてよ、丁寧にそしてかつ迅速にしあげてあげるから!」
と、意気込みながら言う男性に炎心は苦笑を浮かべる。
それからしばらくして特殊な眼帯の調整を終えた深華をつれて約束どおり遊園地へと向かった。
「おとーさん、おかーさん!はやくはやく~♪」
「はいはい」
「あんまりはしゃぐとこけるぞ」
深華に手をひかれて歩く深紅と炎心。
それはとても幸せそうないつもの家族が見せる光景である。