澪次と深紅の娘
短い・・・・突発的すぎるかも
「よっと、これで大丈夫かな?」
黒髪の真紅色の瞳の少女が刀をしまったと同時に刀が消える。
頬には返り血であろう血がべっとりとついているようだ。
「あー、どこもかしこも血でべっとりだ。もったいないなぁ~」
そういいながら鞄からタオルを取り出して顔や腕を拭く。
彼女の名前は夜瀬深羽という。
夜瀬澪次と深紅の一人娘といったところであろう。
彼女の憧れは両親である、両親のようなそんな人物になりたいと常に思っているとか。
さて、登場が血塗れかというと、親の留守中に逆恨みしたものが登場したとかそんなんではなく。
帰り道に襲われている人物がいたから戦っただけである。
「あ、君さ。大丈夫?」
ふ、と気づいて振り返りながら深羽は首をかしげてたずねる。
そこには座り込んでいる男子生徒がおり、こくこくと壊れたブリキのようにうなずいた。
「そ、にしても難儀だよね。なんで君みたいなのが狙われたのかね~」
深羽は制服の変えもとりだして着替えだすが、男子生徒はあわてて首を真横にふり、見えないように配慮。
そんなこともつゆしらずといった感じで着替えている深羽はつわものだといえる。
「さて、と・・・・・とりあえず君の記憶は消さしてもらうね?」
と、深羽はなんでもないようなふうに笑いながら言った。
男子生徒が戸惑うように深羽を見つめるが彼女は笑顔のまま男子生徒の額に触れて記憶を消去する。
手を離すと男子生徒はどさっと倒れてしまう。
「封界も解除して、と。ありゃ、遅くなっちゃってるや・・・・」
そういいながら人差し指をふり、腕時計をみて深羽はつぶやき、顔をしかめる。
また、正座かなぁ~と遠くを見つめながら思う深羽だった。
澪次の正座は長時間なのでなれない人物はかなりきつい所業だといえるだろう。
「まあ、ぐだぐだしてもしょうがないよね」
深羽はそう言いながら帰路を急ぐのであった。
家に到着したのはそうそうかからなかったが、満面の笑みの父である澪次と同じく笑顔の母の深紅に出迎えられたのはいうまでもない。
正座は長期間にわたったし、説教とともに修行も禁止とされてしまったのはかなり堪えたそうな。
深羽は澪次のそれぞれの特性と深紅の特性を持って生まれた少女である。
深羽がしょんぼりしながら部屋に戻った後、深紅と澪次は口をひらいた。
「僕らふたりの運動性と身体能力を受け継いでいるみたいだね」
「せやな、これも血の影響なんやろうかねぇ」
と、二人は苦笑を浮かべている。