ぷちがお月さまをみて吠えます
更新ですよ~!
「みゅー♪」
「こらこら、そんなにはしゃいだらころんじゃうよ?」
十五夜の月を見ながらはしゃぐつぐぴょん。
それを微笑ましげにみつめるつぐみ。
すすきや、月見団子などがその場にあるテーブルに置かれている。
「やで~!」
「なんや、みっくーが吠えとるんやけど(汗」
月を見て吠えるみっくーに戸惑い気味の深紅。
おかしい、このときのみっくーの獣耳が変化しているように見える。
「あきかっかー!」
「あきかさんも吠えてるー!?」
月を見て血が騒ぐのか叫んでいるあきかさん。
狼の血でも流れているのだろうか。
「ム~……」
「どうしたの、明香ちゃん」
どこか不服そうな明香に気づいてつぐみは近寄ると尋ねる。
それに気づいて振り向いた彼女は驚くべき発言をする。
「ウさギが見えナいデす!」
「え?」
「はい?」
真面目な顔でいう彼女にみなもとつぐみは硬直する。
月には兎がいるという伝説を信じていたのは綾菜だけではなかったようだ。
「あきちゃんも気づいたの!? そうだよね、なんでうさぎさんが遊びに来てくれないんだろう」
綾菜が会話に聞きつけて近寄りながら言うと、むーと唇を尖らせていた。
そもそも、どこからその情報を得て信じたのだろうかとつぐみとみなもと深紅は思っていた。
それが今の彼女達の正直な感想のようで。
「みゅ?」
「つぐぴょんちゃんみたいなうさぎさんがいないのはおかしいよ!」
「ソーでス! ツぐピョンちゃンに会いニ来なイのモおカしイでスよ!」
いきなり騒ぐ明香と綾菜を不思議そうに見つめるつぐぴょん。
頭頂部にあるうさみみがぴこぴこと忙しなく動いている。
「つぐぴょんはきにせんでえぇよ。 はい、団子やで♪」
「あむあむ」
深紅はそう言うと三色団子を渡すとつぐぴょんを抱き上げる。
おとなしくしながら団子を食すつぐぴょん。
「わう~」
「しゅうやんも月を見て血が騒ぐのかな」
「あ、よく見ると目が狼の目になってる」
つぐみはそう苦笑いしながらしゅうやんを抱っこして、背中をなでている。
注意深く観察していたみなもがしゅうやんを見つめる。
「つきみそばもあるけど、食べる?」
「いつも、思うんやけど……響はどこから取り出してるんや」
いそいそと運んでくる響を見て呆れる深紅。
響は黙って視線をうしろに下げると。
「やは~♪ 月見はいいねー、深紅☆」
「いやいや、なんでおるんや!? ケティ!!?」
響と同じように月見そばをもっていた。
それに気づいてツッコミをいれる深紅。
何年ぶりかの親友の一人がここに来るという情報がなかったからだろう。
「ないない~♪」
「あ、つぐぴょんが月を見て跳ねてる♪」
「レイナちゃんが、お団子を見せてるからでしょ(汗」
ぴょんぴょんとはねているつぐぴょんの視線の先には団子があり、レイナはどこか楽しげである。
「やで~♪」
「みっくーちゃんもマネしなくていいよ!?」
つぐぴょんと同じようにはねるみっくーを止めるみなも。
それを目を細めながら眺めるエリザ。
「日本ていいわね~♪」
「のほほんとなに言ってるのやら。 それより、手伝ってあげないの?」
と、ほんのりと盃に注がれた酒を口に運ぶエリザをじと目で見つめるまみ。
視線を向けてエリザはくすりと笑うと……。
「いいのよ、私はお酒で忙しいから☆」
「……はぁ」
本音なのか冗談なのかわかりづらい解答にまみは呆れていた。
そして視線を真上に動かしてまばゆく浮かぶ月を見上げてまぶしそうに目を細めるのだった。
『わおーん!』
その月を眺めて吠えるぷち達に癒されながら。
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