みなもと裕樹
「裕樹さん、一緒にきてもらってありがとうございます」
「女を1人にしとくのは危ないからな」
「お姉ちゃんと買い物~♪」
みなもと裕樹と裕香は仲良く並んで街中を歩いていた。
手にはたくさんの荷物がある。
周りにいる人はそのような光景を微笑ましい様子で見つめていた。
「ふふ、そんなに嬉しそうにされるとこっちまで嬉しくなっちゃいます」
「みぃ~♪」
『ぴい♪』
みなちゃんとヒミカは裕香の肩に乗ったままで笑う。
ご機嫌な彼女につられているのかもしれない。
「あら、みなもちゃん。彼氏と妹さんと仲良く買い物?
いいわね~♪」
「こんなよいこはそういないから大切にしてあげてね」
「ちぎゃいましゅ‼? ま、まだそんな関係では!」
みなもを知っているおばさま方がニコニコと笑いながら裕樹達に近寄る。
みなもは顔を赤らめてあわてている。
「あはは、まあみなもみたいな女性はそうそう出会えないと思いますから、いわれなくても大切にしますよ」
「ゆ、ゆゆゆ裕樹しゃん!? にゃにをじゃない、何をいって‼?」
「みなも姉ちゃん、落ち着いて?」
裕樹は慌てるわけでもなく普通に対応して笑う。
みなもはますます顔を赤らめてあわてていた。
別に嫌というわけでもなく、慣れていないこともあってこんな対応になるのだ。
そんなことがありながらも、裕樹達の自宅に到着した。
裕樹の家はマンションでオートロックで、色々な仕組みで防犯式になっている。
「えへへ♪ 今日は楽しかったな~♪」
「裕香ちゃんが楽しめたのなら嬉しいかな? その……裕樹さんはどう、でした?」
楽しそうにみなもに抱きつく裕香。
みなもは笑顔で抱きしめてから笑い、裕樹を見つめて尋ねる。
「ん?…俺も楽しめたかな」
みなもはそれを聞いて安堵の息をつく。
「みなも姉ちゃんは?」
「私も楽しかったよ? とてもね♪」
裕香の問いかけに笑顔でみなもは答えた。
裕香は答えをきいて嬉しそうに笑う。
裕樹はそれをみながらココアを二つとコーヒーを1つとお茶菓子を用意した。
みなもは裕香につられてソファに座る。
「みぃ♪」
『ぴい♪』
「あはは♪くすぐったいよ~♪」
裕香はヒミカとみなちゃんに頬擦りされて楽しそうに笑う。
普段の家ではない光景にみなもは笑顔で見つめている。
「ほい、ココア」
「あ、ありがとうございます」
裕樹が笑顔で差し出すとみなもは笑顔で受け取る。
「む~」
「あ、じゃなくてありがとう」
裕香の不満げな顔に気付いて言い直したみなも。