龍星とつぐみを見たみなもの疑問!
短編が楽しい!
「みゅ~♪」
「はっはっは♪」
すりすりと目の前にある背中に頬ずりする小さな影。
「ちっちゃくないよ!?」
地の文にツッコミをいれないでもらいたい。
突如、虚空を見上げて叫ぶつぐみに視線が集まる。
なにごとか、と思うものや……。
いつものことかと思うものの視線ではあるが。
「どうした、つぐみ」
「いや、誰かにちっちゃいと言われたような気がして」
「そんなん気のせいやろ」
不思議そうな視線に気づいて困惑した様子で答えるつぐみ。
眠っている光一に膝枕している深紅が即答で否定していた。
早くにした仕事で疲れているからこその行動だったりする。
まあ、起きたら本人は間違いなく驚くだろうが。
「そうかな~」
「そうやって」
まだ納得がいかなそうなつぐみに深紅は苦笑いを浮かべる。
「まあ、気のせいでもそうでなくてもつぐみにそんなこというやつはいたら俺がお仕置きするから」
「お兄ちゃん、いつもいつもありがとうね」
龍星はつぐみの頭を優しく撫でて抱きかかえるとお腹を優しく撫でる。
撫でられて心地よさそうに目を細めるつぐみはまるで子猫のようだ。
「あの、気になったんですけど。
どうしてつぐみちゃんは榊さんのことを”お兄ちゃん”と呼ぶのですか?」
静かに座っていたみなもが疑問を挙げて尋ねると。
「あ、みなもはしらへんもんな」
「お兄ちゃんって呼ぶの? そんなこと考えたこともなかったな~」
「まあ、それが自然だったもんな」
深紅は寝ている光一を起こさないようにつぶやいた。
つぐみはにこにこ笑顔で龍星にすりすりと甘えながら話す。
「つぐみとは幼少のころからの付き合いだからな。 それでよく後を追いかけてきたもんだ」
「お兄ちゃんお兄ちゃんって言いながらね。 それくらいお兄ちゃんが大好きだったからね♪」
昔を思い出しながらつぐみのお腹を撫でる龍星。
つぐみも懐かしそうに目をほそめつつ気持ちよさそうだ。
「幼少っていうと?」
「つぐみが赤ちゃんの頃からだな」
みなもが首をかしげて問いかけると龍星はつぐみを肩に載せつつ、答える。
「その頃は、確か龍星は幼稚園児やったけ?」
「ああ、つぐみはその頃から可愛かったな~♪」
「そんなことないよ! 芹ちゃんの方が可愛いと思うし」
深紅が確認するように視線を向けると頷く龍星。
昔を懐かしんでいるように目を細めている。
つぐみは恥ずかしそうに目を伏せつつ、龍星の彼女である芹香を述べる。
「そんな頃からの付き合いなんだ。 それはなんだか羨ましいかも」
「みなもちゃんにはヒデくんがそうでしょ?」
そうみなもがにこやかにつぶやくとつぐみは振り向いて笑顔で笑いかける。
現にみなもは秀久を膝枕しているようで、やさしげに頭をなでているようだ。
これでこの二人は付き合っていないのだから、世の中はわからない。
「つぐみにもそういうやつができるといいがな」
「でも、龍星のおめがねにかなわんとあかんやろ?」
龍星はつぐみの頭を撫でて言うと深紅はニヤリと笑う。
それにはニヤリと返す龍星だった。
「つぐみちゃんの場合、お相手さんが大変そうだね」
「まあ、龍星という鉄壁がおるからな」
みなもがその様子に苦笑していると深紅はくすくすと笑っていた。
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