表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/187

ちょっとした妄想

ズブリという音とともに自分の肉体に刺さる凶器。

 口からコポリと吐血して、凶器が刺さった腹からも血が流れていく。

血が流れているのはひとりの少女からだった。

 凶器を持っているのも少女だ。

刺されている少女はやっぱりなと思いながら刺している少女――実の妹を見ていた。

刺していた少女は凶器を引き抜く、刺されていた少女はドサッと前のめりに倒れてしまう。


「あは、あははははは♪ 殺ったわ、殺ってやった! これであの人たちの心は私のもの!

そうよ、これで私のものなのよ!」


凶器はナイフのようだった、それを投げ捨てると、呆然とみている多人数の人達を睨んで走り去る。

倒れている少女の方からドドドドっという音を立てながら迫り来る影があった。

ゴブリンやグレムリンやスケルトンなどの大人数の大進撃である。

それを見て怯えながら逃げる多人数の人々。

見捨てられた少女はなにもとくに思うこともなく、ぼんやりと眺めており、そのままゴブリンの剣に刺されていく。

グレムリンの槍とスケルトンの剣もどんどんと突き刺さる。

これは絶命まったなしの状態であった。

いや、とっくに死んでしまっているのだからそれは正しくないのかもしれない。

激痛が少女を襲う中、それがだんだんと和らいでいき、意識も途切れていく。


少女は思った、大事な仲間は大丈夫だろうかと思いながらここで死ぬのだろうかと他人事みたいに考えていたまま意識を失う。


ドクン!


脈打つ血の音と共に本来の意識のないまま少女は片手でゴブリンの頭をわしづかんで握り殺す。

その場に血が飛び散る、次にスケルトンの頭を掴んで握るとさらさらと砂みたいになっていく。


……足りない。


ぽつりと少女はつぶやいたまま、そこにいるゴブリンやグレムリンなどを握り殺していく。

時には獲物を奪い、それで切り裂いていく。


意識もなにもなくそこらへんのモンスターを蹂躙してふらふらと歩き出す少女。

その少女の頭には小さな角が生えていた。

髪に隠れていて見えにくいが、よく観察しないと絶対わからないだろう。


ピロン!


新たなスキルを手に入れました。


スキル『羨望』レベルEX


と表示されたが、少女は気づかないまま歩いていく。

ここにでていて倒れているのは深紅のつもりです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ