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目が覚めたら

ちょっとした思いつき

鳥のさえずりで目を覚ました私はベッドからのっそりと起き上がる。

ズボンが下がるのを違和感に思いつつ目をこすりながらベッドから降りると、ふとした瞬間に姿見に自分が映る。

普段の自分の姿なら驚きはしないが、今回はかなりの驚きとなった。

なぜなら、私の頭頂部に狼の耳が生えており、お尻の方には狼のふさふさとした尾が生えていた。

それを見た瞬間にわたしは硬直して呆然としていた。

ちなみに狼の耳も尾も銀色のようであった。

本来は短い私の髪も伸びていてロングヘアーといってもいいほど長かった。


「お、おとーさあぁぁぁんっ!!? おかーさあぁぁぁんっ!!?」


私は慌てて部屋から寝巻きのまま飛び出して階段を降りてリビングにいる父と母に会いにいった。

まあ、扉を勢いよく開けすぎて扉が壊れてしまったけどね。

私の声と扉の崩壊に驚いた父が珈琲を口から勢いよく吹き出しており、それを見た母が雑巾でテーブルを拭いた。


「げほげほっ、ど……どうしたんだい?」

「そうよ、女の子がそんな大声ではしたない」


そう言いながら振り向く私の父と母は私を見た瞬間に目を丸くしたが、すぐに笑みを浮かべた。


「あらあら、お父さんの血が目覚めたのかしらね」

「昨日の突然の高熱はその為の準備だったのかもしれないね」

「え、ちょ、二人とも。 なんの話?」


にこにこと笑みを浮かべる母と父に私は困惑しつつ、尋ねた。

すると二人は視線を私に向けてこう言った。


「実は父さんの家系はね。 人狼の家系だったんだよ」

「え、えぇ~~~~!!?」


父さんが笑顔で言った言葉に盛大な驚き声をあげるわたし。


「驚くのも無理はないわね。 教えてなかったんだし」

「祖父から代々受け継がれてきた血だったし、忘れかけていたことだしね」


うふふと笑う母とあははっと笑う父に呆然としてしまう。

てか、忘れかけていたんかい!


「でも、希に子供に人狼の血が残って突然変化するということはあるんだよ」

「それが今の貴女の姿なのよ、小夜さよ

「な、なんでその血がわたしによりによって発現したのよ」


父さんと母さんはそう言いながら優しげに見つめている。

心なしか耳と尾がしょんぼりしているような気がしつつも尋ねる。


「多分、小夜の中の人狼の血が根強かったんだろうね。 それで高熱をきっかけにしてその血が目覚めたんだ」

「高熱が出るまえは鎮静していたんでしょうね」

「そ、そんなぁ~」


父さんと母さんはわたしの頭を撫でながら説明してくれる。

でも、納得なんていかないんだよね。

これからどうしたらいいのか、とかあるし。


「まあ、受け入れるしかないよ。 覚醒してしまうことは小夜が初めてというわけでもないしね」

「前にもそういうことあったらしいからね」

「そ、そうなの!?」


父さんと母さんの言葉を聞いて目を丸くしつつもなんとか尋ねる。


「ああ、まあ。 その子もなかなか現実を受け入れがたかったみたいだけどね」

「それでも、家族に説得されて今は元気に生きているらしいから。 小夜も受け入れちゃいましょ♪

だってこんなに可愛い耳と尾なんだしね☆」

「うぅ、受け入れろって言われてもっ」


父さんと母さんは気楽にいっているけど、わたしとしては悲しいよ。

てか、二人とも尾と耳に触りすぎでしょ!?

こ、これからわたしはいったいどうなっちゃんだろう。

妄想な夢です!

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