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第九話:借用書

ツトムの連れてきた男は、ユウスケだった。

「久しぶり。」

ユウスケは、私の友達の彼氏であり、ツトムの五つ下の後輩でもあり、さらにはコウタの知り合いでもあった。世間ってこんなに狭くていいのか。

「ユウスケ…、コウタは?」

「コウタくんは帰ったよ。」

「そう。ツトム殴らなかった?」

「うん、大丈夫。」

私が部屋に戻った後何があったか。二人の話では…

ツトムはコウタを近くの公園に連れて行き、電話で自分の友達を呼び出した。しばらくするとユウスケを始め数人の男達、中にはありがちな黒塗りのベンツで登場したという。

「まーそこで色々聞いたんだけど、やっぱりあいつ、お前とは遊びだったって認めたよ。あと、これ。ホラ」

そう言ってツトムは紙切れを差し出した。受けとって見てみるとそこには、コウタの名前と住所、日付、そしてツトムに20万円を借りたと書いてあった。

「これって…借用書?」

「そう。病院代ね。」

「病院代って…まだできてるかどうかもわからないのに。」

「いや、あいつには出来たって言ったから。お前の慰謝料も含めて、これからもっと絞り取ってやる。」

「ちょっと!そんなこと頼んでないわよ!やめてよ!」

「うっせーな!俺だって傷付けられてんだよ!あんなくそみたいな男にお前傷付けられて、その上あんなくそみたいな男をかばうお前もムカつくんだよ!」

「…じゃあ私はどうしたらいいの?」

「別に何もしなくていいから、あんな奴忘れろよ。お前があまりにもバカでかわいそうでしかたねーよ。」

私はもう何も言えなかった。携帯のコウタのメモリーを消され、会うことも禁止され、もう関わりを持つなと言われた。ツトムの言う通りにするしかないと思った。

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