第七話:発覚その後
ツトムは、私にコウタと連絡を取るよう迫った。なにもかも知られた今、そうせざるを得なかった。
私はとりあえずメールを送った。
《コウタ、実は生理が遅れているの。》
一時間経っても返事はこなかった。すぐに痺れを切らしたツトムは、電話で直接話すよう指示した。
でも、何度かけてもコウタはでなかった。嫌な予感がした私たちは、ツトムの携帯からかけることにした。
しばらくの呼び出し音の後、
「……はい。」
コウタが出た。私はツトムに声が聞こえないように受話音量を最小にした。
「あっ…私だけど…。」
「うん…電話出れなくてごめん。メール見たよ。今、ツトムくんといるの?」
「うん…。ごめんね。」
ごめん、と言う私の言葉にツトムの表情が険しくなった。
「謝らないで。俺の責任だから。責任はちゃんと取るから。心配しないで。」
「うん…でも、どうしよう。」
「したいようにするよ。どうしたい?」
「…どうしたい…」
私が呟くように言うとツトムが突然携帯を奪った。
「てめぇ!どうしたいじゃねーだろ!てめーで考えろ!どう責任取るつもりなんだよ!」
そこからはコウタが何と言っていたのかはわからない。だけど多分、何も言えなかったと思う。ツトムの怒りは激しかった。
「こいつは今は俺の女なんだよ。中途半端な気持ちで中途半端なことして、心も体も傷付けやがって!どうせ結婚するつもりなんてねーんだろ!」
凄い剣幕でまくしたてるツトムを横に、私はただおろおろするだけだった。
「お前今からウチに来い。逃げても無駄だからな。」
そう言って住所を説明すると、ツトムは一方的に電話を切ったようだ。
私はこれから何が起こるのか想像もできず、恐怖しか感じられなかった。一方のツトムはリラックスして、お前は何も心配しなくていいよ、と言った。