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第五話:生理

ツトムだけを見ていこうと決めた矢先、事件は起こった。

「なんか最近腰が痛いんだよね。」

「ふーん…てかお前、生理きてなくね?」

「あっ、そういえば遅れてるね。」

「異様にトイレ近いし、妊娠でもしてんじゃねーの?」

「まっさかー。」

私は気にも止めてなかった。だけどツトムは違った。徐々に顔が青ざめ、赤くなり、興奮するように言った。

「いや絶対そうだ。お前は前の男としてたはずだ。調べろ!」いやいや…あんたともしてたじゃん。そう言うと、

「俺は子供の頃からの病気で、子供はできねーんだよ!」

ツトムは完全に私を疑っていた。だけど始めに、『好きな人と会っていい』と言ったのはツトムだ。それにきっと生理は来るだろう、と告げると

「もし出来てたら、おろさなくちゃいけない。そうするとお前の心と体にどれだけの負担がかかるかわかってるか?!お前が遊ばれ傷付けられたことにキレてるんだ。」


「誰が遊ばれてんのよ。」

「じゃあ電話してみろ。責任を取らせろ!」

凄い剣幕だった。でも私は絶対嫌だと断った。コウタをツトムに合わせたら何されるかわからないし、私は元々生理が不定期だから、遅れることもしばしばあるのだ。

どうしても今ここで電話しろと怒鳴るツトム。話は平行線だった。しかし、ツトムのネットワークは凄かった。ほんの少し情報だけで、彼を捜し当てたのだ。

「お前の好きな奴って、『コウタ』って奴だろ。そいつね、俺の妹の友達の『彼氏』だよ。」

一瞬、時が止まった。固まる私を見て、ツトムは更に続ける。

「妹が『また浮気かよ』って言ってた。お前だけじゃねーんだよ。」

私だけじゃ…ない。

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