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第十四話:カオリ

私の休みは週に一度あるかないか。毎日入れるだけ店にいる。今いる店はあまり繁盛はしていないので、客がいないときは仮眠ができる。

毎日毎日働いて、自由もなくて、それでもヤケにならずに住んだのはカオリのおかげだった。

カオリは私の親友で、同じ店で働いている。どうして働いているのかというと、彼女は彼女でヒモみたいな男のために稼いでいるのだ。

理由は違えど同じような境遇にいる私達は、この時期により絆を深めた。死にたい、と思う事があってもカオリと話をしていると心が落ち着いて、気が紛れた。

この頃の私はもうコウタの話は関係なく、ツトムにお金を渡さなければいけなくなっていた。ツトムがある日突然

「言わなきゃいけないと思ってたんだけど、俺病気で薬代とか検診代が結構いるんだよね。」

と言い出したのだ。さらに

「あの一件のストレスで、さらに最近体中が痛いんだ。お前のせいなんだからお前が払え。」

と突きつけ、もうツトムに恐怖すら感じていた私は素直に従うしかなかった。

「俺が死んだら嫌だろ?お前が稼がなくて薬が買えなくて死んだらおまえのせいだ。」

それがツトムの口癖になった。

そうして私は週に何万も必要になったけど、今のお店ではきつかった。

でも、繁盛してるお店に戻るほど心の余裕もなく、ギリギリで何とかやっていた。

それでもツトムは容赦なく、

「明日九万必要。無理だったらどうなるかわかってる?」

と脅してくる。その時カオリに何度助けられたことか。カオリへの借金の何十万にも膨れ上がった。



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