青春の無駄遣い
拙い文章ですが、目に留めていただけると幸いです。
……コッ。……コッ。チープなプラスチックの音がよく響く。
放課後の旧文芸教室。静まり返った教室には息が溶け込むほどの緊張感が漂っている。
「…ねぇ上浦。今、何個目?」
細い指先を慎重に動かしながら先輩が妙に真剣な様子で尋ねてきた。
「えっと、いちにさんしご…」
「ちょっ、カウント早っ、」
ガラガラ、という乾いた音と共に塔は瓦礫のように一瞬で崩れ落ちた。
「あぁ!!私のコップ城がぁ〜」
「落城ですね」
「手が狂ったの!あんたが急かすから!」
はぁぁ、という大袈裟なため息を吐くなり先輩はこちらをキッと睨んで眉をピクピクと動かす。
「何ですか?もしかしてにらめっこですか?」
「んなわけないでしょ。…てか、片付けぐらいはやってよね」
「…もし嫌だと言えば?」
「退部」
「もちろん全力でやらせていただきます」
渋々コップを片付けている僕は先輩にしつこいくらい笑われた。
キーンコーンカーンコーン。
『下校時間です。校舎に残っている生徒は速やかに帰宅してください』
そうこうしていると、救済が訪れた。
「こりゃ続きは明日ですね」
「逃げたわね」
「まさか。楽しい時間を取っておくだけですよ」
調子のいい返しに先輩は微かに頬を緩めた。
「いい根性ね。さすが副部長」
「二人しかいないですけどね」
「ちょっと、少数精鋭と言いなさいよ」
「並外れた人望のなさ故ですかね?」
「…やっぱ退部」
「もう、冗談じゃないですか」
そんな、いつもの会話をしながら帰宅準備を終わらせた。
ガチャっ、と後ろ手で閉めたドアの向こう。夕日に照らされた城の跡地が今日の戦績として残っている。
好評なら続き書きます。




