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第1話 家を去る、旅立つ④

「帽子は?」

「はい。大丈夫です」

「ケープは?」

「ボタンがかけてます」

「シュコは?」

「元気だと思います」

「首輪は?」

「つけてますに決まってるじゃないですか?お父様にもらった贈り物なんだから」

「小遣いは?」

「…」

「もう、クヴァシルさん心配しすぎですよ。オズちゃんは待っているぞ」

「でも、でも!…」


門口に立って、クヴァシルさんは名残惜しい態度でわたしの状態を確認している。カルルさんは落ち着いたままわたしたちを見守っている。


「これて、オズちゃん自分の人生も始まった…無事に帰ってくれよ、これは命令よ!」

「はいはい」


服はクヴァシルさんが自分の手で作ってくれた黒い魔女の服。魔女っぽいボロボロ黒い帽子と魔女っぽいケープ。

本当に魔女みたいね。火刑にされないのかな。


「そして最後に!大切なことを説明する!」

「なんですか?幼女は笑顔や天真爛漫を保つべきとかの馬鹿みたいなスピーチですか?それはもう聞き飽きたのですっ」

「そうじゃなくって!いい?行動基準よ」

「行動基準?」


ひさしぶりに真面目な態度をとった。

もしいつもこんな態度を維持できれば完璧なお姉さんになれるのに。


「まずは、擬態を保つこと。面倒なことを引き起こさないように、身分を隠して、普通のストリートチルドレンとして行動すればいいよ。たとえ魔物身分がバレちゃったとしても、力もない名前もない雑魚魔物の役を演じなさい。どうしても魔力を使わなきゃいけない危ない場合は、最低限の力を使いなさい」

「…わかりました」


確かに、わたしのような存在がもしバレちゃったらきっと他人に恐怖を引き起こす。

低調な行動をしつつ、任務を遂行しよう。


「それと、まぁ。人間の基準で判定すれば少し歪みかもしれんが、オズちゃんの精神年齢はそろそろ少女と幼女の間にある、感情がどんどん増長してる時期だね。今から色々なことを経験するけど、自分の感情を尊重しながら行動する同時に、感情に支配されないようにね」

「それは、当たり前です…」

「最後に!腐蝕された人を処理完了するたびに、手紙を書いて私に報告すること!絶対忘れないでなぁ!」

「あ、はい。書きますから」

「絶対、絶対よ!一回忘れたらお尻ペンペン百回だぞ!」

「いや、そんな威厳いっぱいの顔をしながら言いますでも…とりあえず書きますから、ご安心してください」

「よろし」

「オズちゃん、もし、まだ腐蝕されてない人を見つけたら、まずは彼に言い聞かせますよ。はいこれ」


カルルさんはある指輪を渡してくれた。水色のクリスタルが嵌め込まれた指輪だった。


「これは…」

「聖女様の手作り指輪。もしある方位の誰かが恨みを持っていると同時に復讐の悦びを楽しめていれば、このクリスタルは直ぐに濁ります。それは導きです。この指輪で腐蝕された人を探しましょう」

「はい」

「大切なのは、良識を保つこと。それは人間性の根本よ。どんな重くて厳しい事態でも、どんな立場に立っても、決して良識を捨ててはいけません!覚えますね!」

「…はい!」


この日をずっと待っていた。

クヴァシルさんもカルルさんも、世界で一番優しい人だった。彼らのことが、好きだ。彼らと出会うことは至高の光栄と言える。

だか、わたしは今から彼らのそばから離れ、自分の物語を紡ぐ、自分の冒険に行く。


「では、行ってきます」


敬意を表したい二人に言う。

シュコを召喚して、憑依して、シュコの黒翼を自分の背中につける。


「今までありがとうございます」


誠意をもって、クヴァシルさんに感謝する。

そして、果てもなき青い大空に飛び出すことにした。


本人には刺激が強いからそんな呼び方をあまり使わないけど、わたしにとってクヴァシルさんは間違いなくお姉ちゃんに等しい存在。

必ず恩を返すから、待っててな。

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