第0話 完壁な容器⑤
よくわからないけど、クヴァシルはわたしを家に持ち帰った。
平凡なお家でした。
彼は水でわたしの身体を洗って、服をくれた。服は人間しか着る必要がないものだと思った。
「はいはいー。ご飯の時間よ」
食卓の上に美味しそうな料理がいっぱい。綺麗い。
「早く食べてね?私が手作りの料理を召し上がって、私の料理を愛して、征服されて、私のことも愛して愛するようになって?」
クヴァシルさんは変な笑顔でこう言った。
「え?じゃあ、頂きます」
これは、肉が入ったチーズスープみたい。
触るとなんか温かい。
口に入れると、美味しい。
初めて食べた、美味しい食べ物でした。
「あらら、手で食べちゃダメよ。そこの食器をしっかり使って?」
「どうしてダメ?」
「飼い主としての私がダメって言ったからダメ。それと食べる方法ももっと上品に!その格好は食べるではなく喰うよ!」
「そう」
それにしても、これ本当にうまい。
食べたことない味、素晴らしい匂い。火で料理すると生き物と植物は美味しくなるね。動物も魔物もこの人間も。
「お父様に食べさせていい?」
「ダメー。オズちゃんのお父さんはもう死んだよ。悪いことをしたから私が殺したの」
「じゃあお父様の魂をここに持ち帰っていい?」
「オズちゃんならできるかもね。でもそのお父さんは中央聖国に『魔王』と呼ばれる危ない存在、絶対にそいつを持ち帰らないでね」
「どうして…」
「まぁ、善悪観がない魔物に説明しても意味がないね。でもオズちゃんは可愛い子だからきっといつかわかる。大丈夫、合格の人間を目指して教育に仕上げるから!」
なによ、この人間。
わたしがびくびくとスプーンを持っているのに、愉快な顔でわたしを見ている。むしろ怪しい顔でわたしを観察している。
まぁいいか。優しい人間だし。
お父様の魂ならいつでもこの世に連れて帰る。でもそうするとクヴァシルの料理を食べられなくなりそう。
今はまずクヴァシルの話を聞こう。
このパフェ、美味しいな…




