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第0話 完壁な容器④

お父様はわたしを呼ばなかった。


朝ご飯を食べたら、わたしは正座しつつ待っていた──しかし夕方まで待っていたのに、お父様がわたしの部屋に来なかった。

それどころか、昼ご飯もない。

たとえ忙しくても、他の魔物さんにご飯を持って来るはずなのに。

こんな状況は初めて。どうしよう。

不安だったが、わたしは大人しく部屋にいる。


そして、 夜がくる。

お父様は音沙汰なし。

何かがあった。魔物としての直感がこう言っている。


「シュコ、おいて」


わたしは死界の魔物さんを召喚した。

見るからに普通のカラスだが、シュコは死界に生息している生き物、わたしと同じく特別な個体である。


「行こう。お父様のもとへ」


許可をもらわないと出られない。だからわたしはシュコに行かせた。

お父様大丈夫かな。

一人で部屋の中で待っている。いよいよ深夜。

シュコが帰った。慌ててソワソワしている。その鋼鉄のような鋭い羽根もボロボロになった。


「何があった?お父様は?」

「そこだ、魔物が居る部屋だな」

「…!」


外に誰がいる。お父様以外の存在。

一人だけではなさそう。どうしてここに?


「あの、その部屋は、とでも怖い魔物がいますような…あんな大きな黒い魔力、あたし見たことありません…」

「俺たちは悪を粛清しなきゃいけないんだ!お前にもわかってるだろう!行くぞ!」


部屋外の存在がドアを蹴り開けた。

これは、人間?髪が長い人と髪が髪が短い人間、つまり女の子と男の子?


「なんだこいつ、子供?瞳孔が破れた黒髪幼女?それに服がない…」

「違います。この子は…魔物、だと思います」

女の子は緊張した顔つきで、

「この子は人間では…ありません。おそらく魔王に製造された人工魔物です。魔王の魔力が、この子の身体に置いてるみたい」

「なるほど、容器であることだなぁ。じゃあ殺すしかない」


「待って、ダメ!」

男の子が剣を抜いた途端、女の子がすぐに制止した。


「殺すならかわいそうではないですか!それにこの子は何も知らないみたい!まず対話してみます、いいわね?」

「…なんだよ、お前…」

「活気がない顔ね、あたしたちの存在を理解し難いかな?ずっとこんな場所に生きてるからね」

「あなたたち、誰ですか?お父様は?」

「お父様?魔王のことですか?その人はもういないよ。あなたの名前は?」

「わたしは、オズ…」

「オズ、あなたのお父さんはもう倒されました。その人が悪いことをやりたかったから、あたしたちには倒すしかないよ」

「悪いことって、なに?」

「その人は我々の国を壊しようとしたよ」

「あれは悪いこと?」

「もういいんだ!お前マジに魔物と対話する気か!こんな魔物、ここで殺さないと!」


なに、この人。

怖い。

初めて生きている人間と会うのに、こんな恐ろしい人…


「やめてよ!オズちゃんはびっくりしたんじゃない!」

「かわいい外観に惑われるんな、アホか!」

「大丈夫です、気にしないでね。この人は童貞を捨てるチャンスを探さなかったから不安しているだけよ。オズちゃん、あたしたちと帰りましょう?」

「どこへ?…」

「中央聖国よ。そこのみんなは優しいから心配しないで。きっと…」

「お前、正気か?あれは魔王が創造した危ない容器じゃないか?魔王の魔力は全部ここだ、この魔物の身体に入れた!あんな大陸を壊滅させるほどの強い魔力、マジ持ち帰るつもりか!」

「あたしたちならその魔力を掌握できるじゃないですか!それにこの子は無実ですよ?」


喧嘩している。差し出口をすることもできない。

わたしは静かにして、座って、二人の喧嘩を見てる。何もできない。

わたし、何をすればいいのかな。

お父様がいると命令を出せる、しかし命令がないとわたしは判断する能力がない。

顔が酸っぱい。泣きたい。わたし、あまりにも不器用すぎる…


「ちょっとちょっとー。あんたたちー」


また一人が来た。女性…ね。


「うまく魔王を倒したのにこんな楽しいところで喧嘩するなんてダメよー。あにがあった?財宝か?仲良くて分けてくれ!」

「クヴァシルさん、あたしたちはここの最強魔物を見られました!でもこの子は対話できる魔物なんです!しっかり教育するときっと馴らさるはず…」

「とれとれー?魔物の肉で縫った人工魔物か?まさかカルルさんが魔物を守りたいなんて、かわいいテディベアの魔物でも出て…」


三人目の女性はこっちに目を向けた。


「…はぁ」


そしてなにかを見つけたかのように驚嘆した。目を大きく見張って、わたしを見つめている。


「これは…」

「魔物です。危ないですかあたしが…」

「違う」


三人目の女性はわたしを抱き上げた。え?どうして?


「天使だ」

「は?」


真面目な目線がわたしをしっかりと噛んだ。


「クヴァシルさん?それは、天使ではなくで人工魔物と思…」

「いいえ天使だ、間違いなくこの子は天使だ!」

「ひっ」


いきなり大きな声で、


「天使じゃないならこんな神聖なかわいさがあるわけない!こんなピカピカな瞳なんてきっと天使の瞳に間違いない!割れても間違いない、これは天使の瞳だ!この子は天使、世界で一番の天使ちゃんだ!」


女性が笑って凄く楽しそう。しかし笑い方が怪しい。

人間、怖い!…


「やめてよ、オズちゃん怖がっているじゃない!もう泣けるところよ!」

「あらごめんー。って、君、名前はオズだって?」

「は、い…」

「私はクヴァシル、拷問の專門家よ。冒険者として行動しているか、さっきは魔王を倒したからこれから国に帰るのっ」


話をすると同時に、クヴァシルは優しくなった。気のせいかな。


「とういうわけでオズちゃんー。私の娘になろう?」

「しょっ、ま、クヴァシルさん!?」

「お前本気か?魔物を飼いたいなら知らない森へ雑魚魔物をゲットしに行けばいいのに」

「いいやこの子じゃなきゃダメだ。これからこの子は私のもの、誰にも渡さない!渡すわけではないからな!絶対!私は一生かけてこの子を守る!一生かかってこの子との愛を培う!文句があるならかかってこい!今すぐ口を縫い合わせてやる!」


すぐに怒った。この女はやっぱ怖い。

怒っているみたいだけど、他の二人は怖がっていない。ゴミを見るような目で女性を見てるだけ。なんで…


「オズちゃん、私と一緒に帰ろう?」

「あの、すみません、わかりません…」


何もいえない。

この人たち一体誰なの?帰るってここから離れること?しかしお父様の許可をもらわないとならないし。


「わからなくても大丈夫。飼い主がいない魔物と動物なら誰でも拾える。永遠に生きる人工魔物だけ?これから私と付き合おう。オズちゃん、ここを去ることがあるの?」

「ない、です」

「じゃすぐ見せてあげるね、戸外を」


鞭を取り出した。

わたしのお尻を叩こうとすると思ったら、クヴァシルは笑いながら鞭で壁を切り開いた。


「!」


そしてクヴァシルはわたしの身体を縦抱きした。


「あの、え?」

「見て、あらは夜空よ。見たことある?」

「はい、しています。本が言ってた、夜空は…」

「本じゃなくてー!自分の目で見なさい!」

「自分の目…」


あれは、広くて明るい夜空だった。

煌めく星がいっぱい、きらきら星光がここに照り輝いてくる。綺麗。

その大きなボールは、月?


「綺麗でしょうー?これからもっとこの世界のことを見せてあげるよ。もちろん月光に照らされたオズちゃんの顔は世界で一番素晴らしい景色だけどね。さって、私の顔を見て見て」

「はい」


月夜の下で、わたしはクヴァシルの顔を見た。


「改めて自己紹介、私はクヴァシル。盗賊であり、専門分野は拷問だ」


クヴァシルは顔が傷跡だらけ、でも笑ってる。

よく見ると、大人っぽい女性だ。


「これから私たちは家族よ。よろしくな!」

「あ、え?」

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