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第2話 人間を狩るハンター③

「この森林には危ない魔物がいっぱいいる、こんな誰も来ない森林の中で野生の魔物にたべられたら誰もあんたを探せない。だから気を付けっ」


エリシウムさんはマチェーテで茂みを分けて、路を開きながら進めている。わたしもエリシウムさんをフォローしてる。

その信頼できる後ろ姿を見上げて、なんとなく安心な気持ちになった。


「まぁ、捕食だけではなく、他の生き物を吸収して同化させるという魔物もいるしなぁ。あんな魔物に捕まれば永遠の生き地獄に堕ちる。あれに比べると食べられた方がいいかもね」

「同化させって…」

「例えば…あっ、それなぁ」


右側に、あそこには魔物がいる。


「あの2メートルのウツボカズラ、知ってる?」

「はい、図鑑で見たことがあります。いきなり動物を襲う危ない魔物です」

「あれは亜種だ。彼は生き物を丸呑んで、消化して、消化された生き物を自分の実にする。実になると他の動物に再び食べられない限り、死ねないまま実として生きていくしかない」

「えっと、よくわかりませんけど形が変わることがそんなに大変なのです?みんなは同じくこの世界に生きてる生命ではないの?」

「自分が排水溝のボウフラと同じだと思う?」

「同じだと思います」

「そう。不思議子だなぁ、あんた」


あれ?またなにか人間っぽくないセリフを吐いた?

気づいたら不謹慎な発言をしていた。もっと注意しないと。


「あの、今どこへ行きます?」

「昨日の場所を調べていく。これ以上質問するな。この先見た魔物と植物のことを説明してあげるから、全部覚えろ。オレが夜にテストを実施するから」

「はい」


エリシウムさんと手を繋いでいる。絶対に離したくない力でエリシウムさんの手を握り締める。魔物の説明を聞いて、長い道を歩いた。

自分の目で色々な魔物を見て、目新しかった。


でもなんでだろう、亜人間と一緒に亜人間の視点で魔物を見るって、適応しにくい。

エリシウムさんが見下した態度で魔物を紹介してるせいか。わたしも魔物だし、やはりそっちの視点で魔物同士を観察できないな。


「着いたよ。ここだ」

「あ」


ここは昨日、エリシウムさんと出会った場所。またここに来たね。


「この先どうします?」

「あんた何もしなくていい。そこに座って」

「はぁ…」


仕方なく、わたしは石の上に座った。コケぬるい。

そして、エリシウムさんは遮眼帯でわたしの目を遮った。

これで何も見えなくなった。


「30分くらい待ってて、『いい』と言う前に絶対に目隠しを下ろすな。わかった?」

「わかりました」

「よし」


何をするつもりなの?きっとまた「わたしと関係ないこと」ね。子供にとって知るべからずこと。


なにも見えないので、わたしは周りの音を聞き始めた。

見えなくても、掘る音や死霊の呼び声が聞こえる。

それと、心を安心させる死骸の匂いがする。


死者を掘ってるの?おとなしく待つしかない、わたしは静かにして待っていた。

そして、


「終わった、もういい」

「はい」


目隠しを下ろした。

土地の上に掘られた跡がある。

それに、エリシウムさんはすぐに誰かを殺したいような怒る顔をしている。怖い怖い。酷いものいっぱい見ちゃったかな。


「エリシウムさん?あの、怒りました?…」

「…」


なるべく弱い態度で質問する。

わたしの話を聞いて、エリシウムさんはただ手のひらで顔を遮って、


「いいえ、何でもないんだ」


そして平気な顔をした。


「オズ…あんたはほのぼのとして静かな子って良かった…」


どんなに怒っても子供の前で怒りを発さないわけね。もっと情報を集めなきゃ。


でもどうすれば?ここでもっと質問するのか?でもわたしたちは対等な関係でないし。

となると…


「エリシウムさん、ここには死体や排泄物の匂いがします。わたし知ってる、こんな場所で逗留すると病気にかかる恐れがあるのです」

「…」

「わたし、心配してます。エリシウムさんはさっき、一体なにをしました?感染するかもしれないことでもやりました?…」


心配そうな顔でエリシウムさんを注視する。

これって、ありかしら。


「そう、だな。心配をかけてすまない」


そしてわたしは頭がなでなでされた。


「確かに死体と遺物を調べたが、別に汚いことやってない。それにちゃんと見て、オレは手袋をつけてるぞ?だから大丈夫だ」

「その『集団』の死体と遺物なんです?」

「違う、集団に殺された被害者の死体だ。酷いだろう?だからオレは今その集団を追撃している」


わたしの前にしゃがんで、エリシウムさんは、


「その集団は残酷なことをやってるから、これ以上のことをオズに言わない。オズ、『今から集団のこと問わない』っと、オレと約束してくれる?」


落ち着いた口調で小指を立てた。

大人が丁重な態度でこう言ったら、わたしの選択肢も1つしかない。


「…わかりました。約束します」


今のわたしはきっと拗ねる顔をしているね。対話することができなくて、無念。


確かに集団のことはわたしと関係ない。でもエリシウムさんがなにも言わない以上、わたしはエリシウムさんを救えない。

このままだと、エリシウムさんはなにも教えないまま一人で復讐しに行く。恨みに支配され、そして魔物になる。

その前に復讐のことを問いかけて、エリシウムさんを阻止しなきゃ。


「でも、わたしも約束したいことがあります」

「なんだ?」

「さっきエリシウムさんの顔が怖かった。もし、集団の人を見つけたらどうします?国または冒険者ギルドに移送します?それでも、殺す?」

「…」

「これはわたしのお願いことです。エリシウムさん、私刑を行わないでください。いいですか?」

「」


呆然とする顔だ。


「オズ、集団の暴行を目撃したことある?」

「ないです」

「だったら話にならないなぁ。あの酷いシーンを目撃したらオズもきっと許してくれる…」


小さい声で独り言を言う、でも怒ってなさそう。


「オズ、その集団の人はみんな無実ではない。虐殺するでも大丈夫やつらだから、オレが成敗する」

「…エリシウムさんの手が汚くなるよ?そんなの嫌なの」

「たとえ鬼になる罪を背負わなきゃいけないでも、やるよ」

「でも…」

「もういい、帰ろう。この森林にはもう用はない」


対話を強行に終止させた。これ以上はもう話し合えないね。


「残っている犯人がまだ三人いる。さっきもうそいつらの位置を確認した。帝国にいるんだ。今から一週間かかって森林を去り、その先オズを保護機構に行かせる。了解した?」

「…はい」


交渉の余地がない。すでに決意したからわたしも従うしかない。


結局、なにも聞こえなかった。

確認されたことは、エリシウムさんはこの先帝国に行って、「集団」の犯人を探しにいくこと。それと、エリシウムさんが自分の手で犯人を成敗しようとすること。


恨みを持たない以上自分で犯人を制裁する決意を決めるわけがないはず。つまり、その「集団」はエリシウムさんの復讐対象だね。


復讐を阻む。わたしはこのために来たんだ。

でも今できるのは、エリシウムさんをフォローしつつもっと仲良くなることだけ。


仲良くなる。一週間かかって試してみようか。

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