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人生フリーフォール状態の僕が、ユニークスキル【大落下】で逆に急上昇してしまった件~世のため人のためみんなのために戦ってたら知らぬ間に最強になってました  作者: THE TAKE
第2章 ペンラム国編

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第78話 誠心誠意の言葉


 ひとまずスカイドラゴンの処遇については話がついた。しかし僕にとってはここからが正念場だ。


 カルラらが隠れる洞窟へ戻った僕とインフは、そこで僕らの帰りを仏頂面で待っていた面々の前に立った。


 恐らくは、僕が何を言ったとしても納得してはくれないだろう。しかしどうにかこの場を乗り切らなければならない。


 いつもはうるさいポンさんですら、無言で僕を睨んでいる。カルラや村人も、ただただ不審者へ向ける蔑みにも似た視線が僕らに突き刺さった。


 しかし進まなければ何も始まらない。僕は何度も自分の頬を叩いてから、皆に向かって語りかけた。



「皆さん、僕の話を聞いてください」



 侮蔑や舌打ちが入り混じった嫌な空気が辺りを包む。僕らがドラゴンの元へ出向くことを唯一了承してくれていた村長だけが、代表として「話を聞きましょう」と願い出てくれた。



「東の岩山へ出向き、スカイドラゴンたちと話をしてきました」



 僕の言葉に村人たちがざわつき始めた。皆を拘束した挙げ句、勝手にスカイドラゴンと話をつけ、無事に戻ってきた僕らの様子に、村人の一人が「裏切り者!」と棒を投げつけた。



「そうだ! どうせ俺たちのことを売って帰ってきたんだろ、この裏切り者め!」



 ドラゴンに対する恨み節や、裏切り者と決めつけた僕らへの罵詈雑言を投げつける村人たち。虐げられてきた村人は、竜族に好き勝手されるのはここまでだと、手当たり次第に物を投げつけた。「やめい!」と一喝する村長の言葉で一旦は静かになったものの、気が立った面々が暴動を起こす寸前なことに変わりはない。



「大丈夫です、僕らは皆さんのことを売ってなんかいません。それに安心してください。今後、ドラゴンがエルフの村を襲うことはありません!」



 しかし僕の言葉に耳を貸さず、「信じられるか!」と反論の声が飛ぶ。口を真一文字に結んだポンさんも、身動き一つせず僕を睨んだままだ。



「ウタ様、貴方様の言葉を裏付ける証拠などはございますか。それがあれば、我らも少しは安心材料が得られるというものです」


「明確な証拠とは言えませんが、彼らは東の岩山を出て真竜国へ帰りました。今後はペンラムに戻ることもありませんし、国内からの侵攻も彼らが止めてくれることを約束してくれました。彼らが住んでいた跡地を見ていただければ、彼らがいなくなったこともわかるはずです」



 僕の言葉に、また村人たちがざわつき始めた。「そんなことが信じられるか!」と口々に飛び交うなか、小さく手を挙げた村長は、「ですが、それを我々に全て信じてほしいと?」と厳しい口調で問う。



「本当です。ですが今はこれしか言えません。……信じてください、お願いします」



 深々と頭を下げるも、やはり面々が簡単に納得するはずがない。そんな甘い話があるはずがない、どうせ騙し討ちするに決まってると、今にも爆発しそうな村人たちを横目に、これまで黙っていたカルラがスッと立ち上がった。



「ウタ、それに村長様。ポン殿にエアリスも。少々よいか?」



 仲間を制した彼女の言葉に注視する面々。カルラはこのままでは収集がつかないと憤る村人を奥へ移動させ、「我々だけで話をさせてくれないか」と提案した。しかしその後姿には、怒りなのか、それとも哀れみなのか、表現するには難しい何かが漂っているようだった。


 仕方なく彼女の意見を飲み、人払いが済んだ洞窟の一画に腰掛けた村長は、疲れ果てたように項垂れながら、どうにもならない状況を憂いているようだった。

 僕はインフに頼んで音が外へ漏れないように魔力の壁を作ってもらい、静かに話しかけた。



「今回は僕の勝手なわがままで、皆さんに余計な心配事の種を与えてしまいました。だけどこれだけは信じてください。スカイドラゴンの脅威がこの地に及ぶことは二度とありません。本当です」



 しかしどれだけ言葉を並べたとて、ポンさんやカルラの顔色は変わらない。それどころか、向けられる不信感は秒ごとに強まっている。


 言葉が出ない村長に代わって僕らの前に立ったカルラは、一度僕の全身を上から下に見下ろし、質問した。



「スカイドラゴンにとって、我らエルフやお前たちヒューマンは、餌同然の認識であることは知っているな。現に、我らエルフの民が東の岩山へ出向こうものならば、まず無傷で帰ってくることはできんだろう」


「……それはなんとなく、わかっています」


「しかし、だ。お前たち二人は、怪我の一つも、傷の一つすら負っていない。しかも縄張り意識の強い、同じ竜族の貴様が一緒だったにも関わらず、だ」


「そ、それは……」


「考えられる可能性はいくつかある。一つは、ウタのあの馬鹿げた威力の攻撃だ。しかしあれをすれば、東の岩山は今頃ただでは済まない被害を受けているだろう。だが見る限り、山は形を残したまま変化した様子はない。よってこの可能性は消える」



 淡々と事実だけを語るカルラは、二つ目としてインフを睨みながら言った。



「次は貴様だ。貴様が何者か詳しくは知らんが、貴様がスカイドラゴンをねじ伏せた可能性だ。しかしスカイドラゴンもそれほど楽な相手ではない。傷を負うことなく、しかもこれだけ時間をかけず戻ることなどできようはずもない。何よりも、それだけの魔力が衝突したとすれば、我らとて、それを感じなかったはずがない」



 可能性を一つずつ潰していったカルラに加え、これまでずっと沈黙を貫いていたポンさんがカルラの肩に飛び乗り言った。



「しかもや。そいつらが大人しく山を去ったやて? んなもん、普通の常識で考えられるかいな。んなことができるとしたら、俺らが想定でけへんくらいの異常が起こってるっちゅうことや。ちゃうなら説明してみぃ!?」



 目をひん剥きながら溜まりに溜まったストレスを吐き出したポンさん。村長たちの総意としても、相手が話して大人しく引き下がる者でないことを全員が知っている。



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