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人生フリーフォール状態の僕が、ユニークスキル【大落下】で逆に急上昇してしまった件~世のため人のためみんなのために戦ってたら知らぬ間に最強になってました  作者: THE TAKE
第1章 パパス村編

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第37話 自分たちのできることを


「良かった、みんな無事みたいだね!」


「無事やと!? 見てみぃ、血だらけやろ、血だらけ。可愛いお毛々が、全部血まみれやろがい!?」


「そのまま赤く染まって死んでしまえばいいのに」


「黙れカス! こんくらいで死んでたまるかボケ!」



 神獣って落ちても死なないんだという僕の疑問はさて置くとして、ポンさんのいう悪い予感の元凶らしきモンスターは倒すことができた。でもこれで本当に何か変わるんだろうか?



「ポンさん、血だらけのとこ悪いんだけど、本当にさっきの奴が今回の原因なの?」


「いや、質問よりまず俺の心配しろし。そもそも何を真面目な顔してギュムギュム姐ちゃんに抱えられてんねん。ヒモか、おのれはヒモか。…………まぁ、ひとまずヤバそな感じはなくなったけどな。なんやったんやろな、さっきのモンスター」



 僕らの疑問に、「そういえば」とインフがポンと手を叩いた。



「先ほど主様があの虫を退治した際に、このような物が空から降ってまいりましたの」



 赤い石の欠片のようなものを受け取った僕は、それを様々な角度から覗いてみた。しかし僕にわかるはずもなく、ポンさんが石を受け取った。



「ふーむ。おい龍族、俺の記憶が確かなら、コイツは……」


「恐らく()()()でしょうね」


「……ええと、その魔導石というのはなんでしょうか?」


「それも知らんのかいな。魔導石って言えば、そのまんまモンスターを集める効果があるっちゅう石の総称やな」


「モンスターを、……集める?」


「誰かが意図してモンスターを集めてたってことやろ。最近モンスターが変な動きしとるとは聞いてたけど、これが原因かもしれへんな。誰の仕業かは知らんけど」


「え、でも、本当にそれだけ――」



 僕が続きを言いかけたところで、インフが口に人さし指を添えた。わかりやすく言葉を止めた僕にポンさんは疑いの目を向けていたが、これ以上余計なことを喋って混乱させるのは避けたいので誤魔化した。



「なんやウタ、なんか隠してることでもあるんか?」


「ううん、誰がやったんだろうって思っただけ。悪い奴がいるな~って」


「なに隠しとるんか知らんけど、まぁええわ。どのみち、これ以上モンスターは集まらんはずや。そやけど……」



 どうにもポンさんの歯切れが悪い。

 それどころか東西南北の守りを順々に見渡しながら、結んだ口をもう一つ小さく窄めている。



「なにかあるの?」


「集まりすぎてんねん」


「集まりすぎ?」


「確かに、もう新しくモンスターが集まってくることはないやろ。でも既に町まできてもうてるのんは、もう引くに引かれへん」


「え、それって……」


「街に押し寄せてるモンスターは、どっちみち全部倒さなあかんってことや。でもどないすんねん、あんの馬鹿げた数。俺らだけじゃ到底無理やで」



 ポンさんの言うとおり、石が壊れたというのに、町を守る衛兵たちの様子は一つも変わっていない。むしろ疲弊し、秒毎に相手の勢いが増しているようにすら思えるくらいだ。



「ど、どうしよう!?」


「どうするもこうするも、乗りかかった船や。やれるだけのことやるしかないやろ」


「そうだね。だけど……」



 僕もポンさんも、その先の言葉を互いに飲み込んだ。

 たとえ僕らが東西南北いずれか一ヶ所の敵を殲滅できたとしても、恐らくはもう間に合わない。別の関所を破られた結果、この町はきっと……



「それでもやらないよりいいはずだよ、行こう!」



 僕らは自分たちのいた場所から、一番近い北門へ向けて走った。既に門戸の半分は崩れ落ちており、町中を覆っている壁も、あちこちが雪崩を起こしたように瓦礫が積み重なった状態だった。しかしその穴を冒険者や衛兵たちが盾となって防ぎ、死物狂いでモンスターの猛攻を食い止めていた。



「諦めるな! 要請に応え、必ず隣国からの援軍がやってくる。それまで持ち堪えるんだ!」



 未だ士気高く、前線部隊の衛兵たちが敵の集団を迎え討つ。しかし壁の裏側では、無数の倒れた兵たちが、治療すらままならないまま傷つき、疲れ果てていた。



「どなたか回復術(ヒール)を使える方はいませんか!?」



 ギルドの職員だろうか。

 レビンさんと同じ服を着た女性が涙を流しながら助けを求め走り回っている。

 こんな光景を目の前で見せられて、心がざわつかない人なんているんだろうか。



「そろそろ限界やろなぁ。どや、まだやれそうか?」


「当たり前だよ、行こう!」



 僕の肩に乗ったポンさんは、「指示通り動くんやで」と煽り、僕も「ハイ!」と返事する。テレビの中に見た戦争の世界に赴く気分で、僕は思わず胸を叩き、「大丈夫、僕はやれる」と言い聞かす。



「やるよポンさん、壁の前に群がってる遅そうなモンスターから、一気に叩く!」



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