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失態

前回の続きとなっております。

 私こと優華は好きになった人がいる。それは、隣のクラスのイケメンでスポーツ万能、おまけに頭もいいといった非の打ちどころのない海斗くんだ。性格に難あり、という情報を私の親友の亜美は言っていた。でも、どうせ私への嫉妬からだろう。


 私は今までにたくさんの人と付き合ってきた経験がある。元カレは何にんくらいいるの?と聞かれても多すぎて何人かわからないくらいだ。高校に入ってから1年数カ月過ぎた今でもすでに10人以上もの人と付き合っている。よく軽い女だって思われているらしいけど実際はそうではない。どうもこうも男が悪いんだ。自分から好意を寄せて告白してくるくせに、1カ月もしないうちに別れようとしてくるんだ。本当に私をなんだと思っているのか。


 まあ、その中にも亜美が好きだった男の先輩、良太がいることは知っている。1個上で、年上の先輩なんだけど、イケメンでお人好しで可愛いといった草食系男子だ。そんなイメージと裏腹にバレーをしているときには可愛いなんて印象は消え失せる。身長は私と同じくらいだから162㎝ちょっとなのに、ネットを優に超えた打点から放たれる強烈なスパイクはまるで獲物をのがさない覇気が見られる。


 そうだね、普段が草食系男子のなかのシマウマだとするならば、スポーツをしているときは狩りを行うライオンと比喩できるだろう。それほど、ギャップがすごい。しかし、勉強はあまりできないらしい。


 私は亜美がその先輩が好きだということを言った数日後から急に魅力的に感じるようになった。ま、私は恋愛上級者だから亜美なんかに負けずに良太先輩を取れる自信しかなかったんだけどね。最初は少し引き気味だったんだけど、話していくうちにどんどん心の距離が縮まっていって、そのままゴールインって感じ。良太先輩と付き合ったことを亜美に告げたときの無力感あふれる顔は最高に傑作だった。そんなことを思い出して急にクスッ、と笑ってしまう。 


 「おい、優華。どうした」


 そう数学の先生が言ってくる。今は数学の授業中だったのにもかかわらず、集中せずに妄想して笑っちゃったから怒られちゃったのかな?


 「いえ~。なんでもないで~す~」


そう私は受けごたえをする。少しふざけた感じだったから、先生が少しキレだした。


 「何でもないなら、この今やってる教科書の□の4番の問題を解いてみろ。」


 問題を見た瞬間私は一瞬思考フリーズする。これは、某有名大学で出た問題ではないか。しかし、私にかかれば問題はない。

「ここをこうして、っと」

問題の回答にたどり着くまで間、30秒。


 「答えは、√21ですね~」


 そう受けごたえをすると先生は黙り込んでしまった。ルックス良し、頭もよし、おまけにお金もち、私ってなんて素晴らしんだろう。こんな私と付き合ってもらえたのに私を振る男は馬鹿だわ~。そう悦に浸っている間にチャイムの音がなりだした。


「気を付け、礼 ありがとうございました」

『ありがとうございました~』


よし、授業も終わったことだし、将来の私の彼氏である海斗君に会いに行くとでもしてやろうかな~。海斗君を探すこと数分。結局2階の自教室から4階の自習室までさがした。終礼まであと8分くらいしか残っていない。


「もう帰ろうかな」


 そんなことを思っているときに見てしまった。海斗君が女子と二人っきりでいるところを。よく目を凝らしてみると、名札の色が赤色だ。1年生が赤色、私たち2年生が青色、3年生が黄色の華が名札に入っている。ってことはあれは1年生か。1年生の癖に海斗君と二人っきりだなんて。身の程をわきまえてほしいところだわ。


「だから、ごめん。」


そう告げると泣き崩れる女の子。そして、海斗君が走って教室を出てくる。

「やばっ」隠れる場所がなかったためとっさに段ボールの裏に隠れる。何か焦っていたのか、猛スピードで自習室を離れていった。


「焦った~」体に冷や汗の不快感が残る。なんで、あんなに急いで帰っていったんだろう。ばれなかったから別にいいんだけど。私はっとさに自分の腕時計を確認する。それでもまだ終礼まで6分残ってるからあの焦りは終礼じゃなくて、何か別の用事があったのかも。


 そうこうしている間に女の子が出てきた。段ボールの裏に隠れていたため、ふつうはばれないわけがない。

「もしかして見られちゃいましたか?」

そう女の子が手で顔をぬぐいながら言う。

「べ、別になんか見たってわけでもないけど。っていうか貴方何様のつもり。私の海斗君に話しかけるなんて、身の程を知りなさい」


私はそういうと走って2階の自教室まで戻ろうとする。


「か、海斗君は本当は私をパ、、、、、、、、」


なんか言ってたけど気にしない。あの子の話に耳を傾ける時間が無駄だわ。




そして1週間くらいたっただろうか。私と海斗君はいい感じの関係になり、今日4時半に校舎裏の少し人目がつきにくいような場所に来るように、と手紙を渡された。

「絶対告白されるじゃん。こんなの。まあ、所詮男なんて私にかかればお茶の子さいさいね。」

そうして鼻歌を歌いながら校舎裏に向かう。


そこには海斗君が一人で立っていた。「


来てくれたんだ。ありがとう」

「うん。だって海斗君がいうことだもん。」


心臓がバクバク言っているのがわかる。やっぱり告白は何回されてもなれないな~。数秒の時間がたつ。この瞬間が短いようで長い不思議な感じ。


「好きです。付き合ってください。」


そう右手を出して言う。念願の海斗君とやっと付き合うことができるんだ。このうえない幸福感が身を包み込む。そうして私は、海斗君の右手を取る。


「私も好きです。喜んで」

そう言い青春の一幕はHappy endでこれから二人の愛を育んでいくという形で閉じた




と思われたが、実際の内容はちがった。Love Loveなカップルだと思っていたのは実は私だけ出ったのかもしれない。海斗君の要求は最初は


「コンパスを弟に壊されちゃってさ、本当に嫌になっちゃう。今日の数学の授業でいるんだけどさ、あいにくお金持ってきてないから、売店でコンパス買えないんだよね。だから、ここは愛する優華に売店でコンパスを買ってほしいんだ。本当に優華にしか頼めないんだよ。愛しているよ。優華」


そう言った。そこで私は一つの疑問が頭の中によぎる。


「え~、私が持ってるコンパス貸せばよくない?愛する私のコンパス使えれば嬉しいと思うんだけど。」


そういうと少しも間も置かずに海斗が言ってくる。


「別にそんなんはどうでもいいからさ。頼むよ。後5分で授業が始まっちゃうよ。」

「う~ん」


まあ愛する海斗君のためだし買ってあげた。だけど、ここから徐々にお金の要求をするようになってきて、

最終的には


「ちょっと100万円貸してほしいんだよね」

といってきた。


「流石にそれは海斗君のためでもできないよ。私そんなにお金持ってないし」

そういうと

「でも、優華の親って某有名会社の社長だよね。100万円くらい安いもんでしょ」


「う~ん」少し悩んだのだが「愛する海斗君のためだもんね。」そう思って100万円を翌日の放課後渡した。その日以来海斗君を見ていない。


流石に1週間来ないから、先生に事情を聞いてみると、転校したらしい。私に別れの言葉もなしで。少しいら立ちを覚えながら、職員室を出る。そうするとあの時見た女の子が私の前に現れて、全て知っていたかのように告げる。


「あの時の言葉聞いてなかったんですか?私は言いましたよ『海斗君は本当は私をパシリにしていたの』って」


その瞬間先生があわただしい様子で職員室から飛び出してきて私を揺さぶる。

「今、大変なことになってるぞ」

そう告げると私を職員室に連れて入った。その職員室の大きなテレビでは私のお父さんが社長をする会社の名前と不正されたということが大々的にかれていた。原因は私が100万円知らない人の銀行から取ったのが原因らしい。相当大きな問題にされている。


「あ、私のお父さん」

その大きな大きなテレビには私のお父さんが手錠につながれて出てくる姿があった。

私は、膝から崩れ落ちる感覚を最後に意識を失った。

今回の作品はどうだったでしょうか。


作品に関するコメントをなんでもいいので残していただけると幸いです。


次は日曜日に投稿します。


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