プロローグ
雨が降りしきる東京の夜、レインはプライベート探偵としての仕事を終え、ひとり街を歩いていた。彼は同性愛者で、LGBTコミュニティへの支援を惜しまない男である。
「レイン、大丈夫だろうか?」心の中で自問自答しながら歩く。
最近は仕事量が多かったこともあり自身の体調を把握できていない可能性がある。
それでも彼は雨に打たれながら歩き続けた。
すると、ふと目に留まった看板が彼を引き寄せた。
ララトーニ財団と書かれた看板の前で、レインは足を止めた。
何かが彼をここへ導いたような気がし、彼はスマートフォンを取り出し、調べてみることにした。
「ララトーニ財団…」
とつぶやくレインは、何かを感じた。彼は会社の名前を見つけ、連絡先を見つけ出した。
もしかしたら、何かできることがあるかもしれない…と自分に言い聞かせ、電話をかけることにした。
直感があった。きっと財団の抱える大きな問題を解決するためのきっかけとなるはずだと。
電話がつながり、声が聞こえた。
「ララトーニ財団でございます、どのようなご用件でしょうか?」
「こんにちは、私はレイン、プライベート探偵だ。財団が抱えているであろう事件を解決したいと思っているが、お手伝いできるかもしれん」
話すうちに、彼の声は元気を取り戻し、かつてないほどの期待に満ちていた。
探偵の持つ情報を聞いた担当者は、彼の申し出を受け入れ、調査を依頼した。
その後、彼はララトーニ財団の本社に向かい、財団のトップであるララトーニと対面することになった。彼らの出会いは、予想外の多様な絆の始まりだった。
その後レインは予定通りララトーニ財団の本社で、ララトーニと対面した。ララトーニは彼の前に立つと、親しみやすい笑顔で挨拶した。
「初めまして、レインさん。私はララトーニと申します。ララトーニ財団の代表者です」
ララトーニは非常に顔の整った白人の男性だった。しかし日本語はネイティヴかと思うほど非常に流暢に使いこなしていた。
レインは礼儀正しく頭を下げた。しかし、ララトーニの笑顔には何か謎めいたものがあった。彼の視線はどこか遠くを見つめているようだった。
ララトーニさん、この事件についての詳細を教えていただけますか?とレインは尋ねた。
ララトーニは一瞬黙って考え込み、その後、少しためらいながらも語り始めた。事件は、ララトーニの友人であるクロトーニに関するもので、彼女が何者かに脅かされているという内容だった。
「クロトーニさんは、LGBTコミュニティにおいて非常に活動的な人物で、多くの人から尊敬されています。しかし、最近彼女は脅迫メッセージを受けるようになり、とても不安を感じているようです。私たちは彼女を守りたいのですが、警察に頼むわけにもいかず、そのためにプライベート探偵のような優れた専門家の協力を求めているのです」
ララトーニの熱意に心を打たれたレインはこの仕事を引き受けることを決意した。
彼はクロトーニの安全を守り、その脅迫者を追い詰めるために、ララトーニ財団と共に命果てるまで戦い抜くことを誓った。