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第5話

「なぁ、グレンドラ。

 まだちょっと良く分かんないんだけど、質問してもいいか?」

「ほほぅ、我に教えを請いたいと?良いぞ良いぞ。何でも聞くがよい」

どや顔再び、ご機嫌だ。


(なんつーか、おっさんだな、こいつ……)

恐怖で縮んだ寿命を返して欲しくなってくる。


「えーっと、まずさ、なんで異なる次元にいた俺がこの世界にいるんだ?」

「ふむ。中々良い質問ではないか。

 そうだな……まずは世界について説明してやろう」


グレンドラ先生の講義が始まった。


「まず基本的な話だが、各次元は、その次元ごとに独立した世界を持っている。

 お主がいた地球とやらも、お主がいた次元の中の1つの世界なのだろう。

 分かりやすく言うとだな、うーむ……そうだな……。

 例えばそこの地底湖が1つの次元だったとしよう。

 その地底湖に石を1つ投げ込んでみるとする。

 その石1つが、お主のいた地球とやらに相当する。

 そして仮に、そこの地底湖とは別の地底湖がこの洞窟内にあったとしよう。

 それが異なる次元というわけだ。

 同じように、その異なる地底湖にある石1つがこの世界というわけだ」


(ふむふむ、なるほど。予想に反し分かりやすい。やるねグレンドラ先生)


「今、例えで話したように地底湖同士は離れている。

 つまり、通常、異なる次元同士は離れておるのだ。

 しかし、どういう訳か、極小確率、極めて稀に異なる次元同士が接触することがある。

 その接触した箇所が、異なる次元間をつなぎ、偶然そこにいた者たちを異なる次元の世界へといざなうと言われている」


(なるほどな…。じゃあ、その異なる次元の世界にいざなわれたのが、俺とコンビニだったってわけか……)

(……けど、極小確率か……。つまり、そういうことだよな……)

(ま、こうなった以上、割り切るしかないか……)


「すげー分かり易かった。

 ひとまず、なんで俺がここにいんのかは理解できた」

ユイトの言葉にグレンドラ先生はご満悦。


「他にも質問あるんだけど、いいか?」

「良いぞ良いぞ。どんどん来い」

(ではお言葉に甘えて)


「さっきさ、次元ごとにルールが違うって言ってただろ?

 その"ルール"ってのは何なんだ?」

「ふむ。ルールか……。これは中々説明が難しいな」


グレンドラ先生は少し考えたのち、話し始めた。


「例えばだ。よく理由が分からないが、なぜかある法則に従っているということが、お主の世界になかったか?

 なぜそうなるのか、その理由は分らない。

 だがそれは当然そうなるものだとして世界は回る。

 そんな”何か”をルールと表現したのだ」


(…んっ?…ひょっとして、万有引力とかそういうこと言ってんのか?)


「うーん、有るような無いような……。

 よく分かんないけど、何となくは理解できた。

 ちなみにさ、この次元にある世界のルールってのはどんな感じなんだ?」


「この世界のルールか…そうだな…。

 ……ところで、お主の世界には魔法は存在していたのか?」

「いや、俺が住んでいた世界には魔法は無かった。

 代わりに科学っていうのが発達してたけどな」

「そうか、無いのか。では魔法を例に話をしよう」


(まさか、魔法があんのか!?)


「この世界は”ハミルガルド”と呼ばれていてな、ここハミルガルドには、お主の世界には無かった魔法が存在する」


(おぉーっ!きたーーーっ!!)

ユイトのテンションは爆上がり。未だかつてないほど心臓が高鳴る。


「ここハミルガルドでは、魔素というものが空気中に漂っている。

 そしてこの世界の生物は、体内で魔素を魔力に変換し、その魔力を魔法として行使することができる。

 しかし、空気中に魔素が漂っていることも、生物が体内で魔素を魔力に変換できることも、その理由はよく分かっておらん。

 だが、そうあるのが当たり前としてハミルガルドは回っている。

 それがこの世界のルールの1つというわけだ」


(つーことは、この世界にいる俺もひょっとして…!?)


「なるほど、良く分かった。

 じゃあきっと、さっき言ってた”称号”っていうのも、この世界のルールの1つってことだな」

「ふっ。理解が早いな。その通りだ」


(やっぱそうか……)

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