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奈々子と健介 vol.092. 「うっそ…、早っ。」
ホテルの地下の駐車場に車を止め、
車から降りてバッグからスマートフォンを取り出し、
マナーモードを解除するジミー澤木。
その際、幾つか着電があったらしいのだが、
気にせずそのままバッグに仕舞う。
…と、それと同時にメールを受信。送信者の名前を確認して、
「フッ!」と、笑い、地下のエレベーターに乗り込む。
自宅に着いた紗友莉は真っ直ぐに冷蔵庫へ、
ジュースを取り出しコップに注ぎ一口飲み、そのままソファに腰を掛け、
テーブルの上の雑誌を手に取る。
そして付箋のしてあるページを開き、
そこに掲載されている人物の顔を見つめる。
「ジミー澤木…か…。」
そう、一つとポツリと呟き、駅でのハプニングを思い出し、唇を微かに動かす。
そして…、
「さ…て…と…。」
「え――――ッうっそ…、早っ!もう電話で…???」
「うん。亜矢子と別れてから、帰ってきて、あれこれと…何だか…自分でも分かんないくらい電話しようかって…迷ったんだけど…、結局…電話してたら、急に気分が軽くなって…。なんでだろ…、自分でも分かんないんだけど、トントン拍子に彼に話してた。」
「へぇ~~そう言う事ってあるもんだね~ふ~ん。…じゃあ、今度会う日、約束したんだ。」
朝の食事をしながら亜矢子。
こちらは既に朝食を済ませ、テレビでウォーキングのDVDを見ながらの奈々子。
「ま~ね。」




