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奈々子と健介 vol.079. 見覚えのある名前。
椅子の上で思いっ切り背伸びをして、
後ろに少し凭れるように…。
そして身体を前に戻し、目をパチクリさせて左右を見回す。
「仕方ない、彼女、ちょっと忙しいみたいだな。また…後で…。…んじゃあ…帰ると…。…ん…???なんだ…、これ…???」
左右を目で眺めながら、今まで気付かなかったのだが、
隣の紗友莉のデスクにある一冊の雑誌…。
「そう言えば、昨日からあったな、これ…。いや…もっと前からあったのかも…。」
そう言いながら雑誌を手にしてみると、見覚えのある名前…。
そしてそのページはすぐに、ページの角が折られてあり、
すぐにその名前のページに…。
「紗友…。」
紗友莉の名前を口に出して、けれども…その言葉に今度は…。
「…でも、俺も…。」
「か~んぱ~い。…ん~うまい。さすがは生だね~!」
一気にジョッキの中を半分ほど空にして亜矢子。
「うんうん、いける。うまい、うまい。」
と、奈々子。
「へぇ~そう言う事あったんだ~!…で、どうするの…彼との事???松…下…さん…だっけ…???」
「そう…、松下…健介さん。」




