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奈々子と健介 vol.060. 右手を拳にして…。
「…えっ、何だ、どうした田沢、それに片倉…。何かあったか…???」
と、ふたりの顔を交互に見ながらの刈谷。
それに奈津子も便乗して…、
「何よ、何々…何かした…???まさか…田沢君…奈々子に…こら~!」
口を真一文字に「キーッ」と、した感じで、
右手を拳にして、振りかぶるような体勢の奈津子に。
「いやいや…、別に…何もしてませんよ…ただ…。」
と、茂樹が次に言う言葉に詰まり…。
「ただ…、奈々子にぶつかりそうになっただけよね~!」
と、茂樹の次の言葉を代わりに言う蒲田康子。
「まぁ…そういう事で…。…って…、何で知ってるの蒲田さん…???」
「…ん…、いや…、丁度その時、レジの方が見えたからさ。ありゃ、奈々子が人を避ける格好になるのも…当然と言えば当然。田沢君…目立つからね…。いや…こりゃ失敬…。」
と、その場の状況を説明する。
その説明を聞きながら、少し体を縮ませるようになりながらの奈々子。
「えっ…、でも、その程度で、何で田沢君が奈々子に謝っちゃうわけ…。普通じゃないの…。」
と、奈津子。
「いや~その後が…。」
と、田沢。




