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奈々子と健介 vol.033. 「このシャツ…、凄いや…。」
そんな奈々子の姿を見て…、やがて健介は、
「じ…、じゃ…、じゃあ…。」
自分の方を見ている数名の客の視線も気になり、
カーテンを開けて靴を脱ぎ、そしてカーテンを閉める。
そして着ていたワイシャツを脱いで、足元に落とし、
新しいワイシャツを着る。その時…、
「えっ…!!!」
カーテンを開け、靴を履いて…。
その時、汚れたワイシャツを一旦健介が左手で持ったと思いきや、
奈々子がそのワイシャツを健介の左手から取り、
「すみません。ごめんなさい。この汚れたの、私が…。」
「いいよ、それ…って、…俺んだから…。」
そう奈々子の腕から自分のワイシャツを取ろうと思った時、
またもや周囲の客の視線に…。
仕方無く伸ばした腕を引っ込めて…。
引っ込めた手の遣り場所に困って…、頭を掻いたり、体を撫でたり…、
その時に…、
「あっ、これ…、このシャツ…、凄いや…、サイズピッタリ…。」
思わず零れた健介の顔に、奈々子も、ここでようやく…笑顔が零れ…、
「良かった~!あっ、いえ…、本当にごめんなさい。こんな事しかできなくって…。」




