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奈々子と健介 vol.003. 「私のメガネ…。」
特にそれほど強くぶつかった訳ではなかったが、
奈々子の方が幾分体勢が悪すぎて、
頭をぶつけた瞬間に床に倒れてしまった。
打ち所が丁度メガネフレームも含まれていたために、
掛けていた黒縁のメガネまでも外れて床に…。
「あ~痛ぇ~!あっ、おい、大丈夫か。ごめんなぶつかって…。」
「はぁ~~びっくりしちゃった~~まさか、転んじゃうなんて、思ってもいなかった。」
奈々子が立ち上がろうと体を返した瞬間、
健介は自然に、見てはならないものを…。
奈々子が左脚を上げた瞬間にスカート奥のショーツが目に入ってしまった。
健介は一瞬「ドキッ!」としてすぐに目を逸らしたものの、
起き上がる奈々子に手を差し出して、その時…。
「ありがとう、ごめんなさい。」
と、言う、奈々子の手の柔らかさにも、
「あっ!」と思い、
その上、メガネを掛けていない奈々子の顔を見て、更に、
「あっ!!!」
「私のメガネ…???あ~ここにあった。」