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奈々子と健介  作者: THMISmama
202/223

奈々子と健介  vol.195.  「俺の彼女は…。」

「私…もう…健介と…。」

「…ん…???もう…俺と…???」


両手をテーブルの上に、そして今度は引っ込めて、

わずかに前屈みに、

「もう…これ以上…健介と…。」


「奈々子。」

「……。」


「奈々子、奈~々~子~。」

「…ん…???」


「俺と…奈々子は…、このまんまだ。俺の彼女は…、お前、奈々子だけだ。」

「…えっ…???」


「大丈夫だ、俺たちは…このまんまだ。俺は…奈々子が好きなんだよ。」

「…けん…すけ…。えっ…???」


優しい顔のままでそう言う健介。

どういう事なのか、さっぱりと分からない様子の奈々子。


「奈々子は~紗友莉の事で悩む、辛い思いをする事は、何~にもないんだ。いつもの奈々子のままで良いんだ。」

「どう…言う…???」


またコーヒーのカップを持って、口に運ぶ健介。

今度は健介が窓の外を見て、今度はテーブルを見て、

引っ込めた後に、またテーブルの上に出した奈々子の右手を握って…、

「奈々子は…俺の大事な女性だ。」


そう言って、

「紗友莉がな…、俺に…、もう…バイバイしなきゃ…って…。」

「えっ…???」


「紗友莉が…俺に…バイバイしてきた。」

「えっ…、どうして…???」


もう一度窓の外を見る健介。



「実はな。」

「うん。」


「紗友莉…。あいつ…、俺の知らない間に、別の男性と、付き合ってたんだ。」

「えっ…うそ…???」


そう言いながら口に手を当てる奈々子。

「多分…、俺と奈々子が出会う、その前…から…だと思う。…いや…その後かな…。」

「そんな…。」


「少し…微妙か…な…。」





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