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閑話 傷つけられた少女

今日…めちゃくちゃ暑いですね_(:3 」∠)_

水分補給しっかりとしましょう( ͡° ͜ʖ ͡°)

「うっ…」


 スラム街、いつもの場所で私はうずくまっていた。


 目を開けるといつも通りのボロい屋根の下、息をする毎に埃っぽい空気が身体の中に入って来る。


「はぁ…」


 うつ伏せの状態から仰向けになり、大きく息を吐く。


 半年前。家が火事にあってから両親が死に、生き残った私は顔の半分が焼け爛れた。

 親としょうもない事、私の夢の事で喧嘩して家を出た私は、友達の家に行き、遊び、帰って来ると、大きな煙を上げて数屋の家屋が燃えていた。


 住宅地が密集している為、消火活動も遅れに遅れた。


『お父さん!! お母さん!!』


 その時私は、2人を助けようと火が燃え盛る家へ飛び込んだ。

 見渡しても、両親は見つけられなく、私はその数分後騎士団が来るまで両親を探し続け、家から出る事はなかった。


『…』


 そして数日後、見つかったのは真っ黒こげになった両親だった。薬指に付いている簡素な指輪。その指輪には両親の名前が刻まれている。


 お父さんとお母さんだ。


 ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった、ショックだった。


 頭を覆い尽くした。


 私だけが生き残った。

 燃えている家に何分も居た所為で酷い顔になった私は、誰にも近付かれず、仕事も出来ず、身内が居なく、すぐに孤児になった。


 裕福な生活とは言えなかった。凄く幸せな生活だったとは言わない。


 だけど…


 今になってみればあの生活に戻りたい…そう強く思う。


 絶えず周囲の人からの憐れみ、蔑みが私の心を抉り、空腹になりすぎたお腹は、背中と張りつきそうになる。


 何度も働こうと思った。しかし、この顔で孤児の私を雇ってくれる事もなく、最終手段である冒険者になる事も出来なかった。



「死にたい……」



 ポロリと目から雫が流れ落ちる。



「ーー♪」



「……」


 何か聞こえる。



「ーー♪」



 楽しげな音色…私に生きてって言ってる様だ。


「うっ…」


 体をフラつかさせながらも、私は立ち上がると音の鳴る方へ向かった。


「え…」


 そこは凄い人だかりだった。

 スラムの人達が此処まで集まるのなんて見た事がない。


「何だあれ…」

「何か凄いよな…」

「気持ちが上がるな…」

「ちょっと! 痛いって!」


 皆んな一緒の方を見ている。何を見ているのかは分からない。


 だけど此処に居たいと思う。


「はぁ…良い音…」

「キャーーーッ!!」


 それに耳を澄ましていると、女性の甲高い声が鳴り響いた。

 沢山の人達から叫ばれる大声が、周りに伝染し大騒動になった。


 沢山の人が急に動き出し、そこから離れる。


 な、何が起こってーー


 そう思った時だった。


「へへへへへっ、き、切り、切り裂いてやる…」


 ナイフを両手に携えた男が、ナイフを舐めながら此方に迫って来た。


 ヤバい! 早く逃げ出さないと! そう思った時にはもう遅かった。


「きゃぁ! や、やめて!!」


 私が決死の思いで叫んだ。しかし、その叫び声でその男からのナイフが鞘に収まる訳がなく…


「あ…」


 視界が鮮血に染まった。


 熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い痛い熱い熱い熱い熱い熱い痛い熱い熱い痛い熱い熱い熱い熱い熱い熱い痛い熱い熱い痛い熱い。


 その人から顔を切り刻まれる度に、顔に熱さと少しの痛みを感じる。


 あ、やっぱり私死ぬんだ。


 そう思って、最後に私はこの中心となっている人はどんな人だったんだろうと気になり、視線を動かした。


 そこには少しボロボロだが、綺麗な澄んだ蒼い眼をした少年が此方を見ていた。


 貴方が演奏してたんだ…何もお礼は出来ないけど…最後にあんな音が聴けて良かったよ。


 ありがとう。


 瞼が自然と重くなっていく。


 その時だった。



「ーーー♪」



 私の耳に優しい音色が響く。さっきとは違う、暖かい光に包まれる。身体の底から何かを刺激されるような、そんな光に。

 それと同時に相手からの攻撃が止む。


 何が起こったんだ、そう思って音が鳴る方を見ると、そこにはボロいローブを着た少年が居た。


 足下には大きなシルクハット、手には小さなボロいギター。


 スラムに居そうな普通の少年だ。


 だけど違う。


「なに…あれ…」


 少年の周りから金色の空気が流れている。その空気は、少年から放たれる様に薄く、薄く、周囲に流れる。


 それと同時にーー


「あ、アレ?」



 "視界が鮮明に見えた"



 顔半分が焼け爛れた私の顔は、左の視界が半分見えなかった。だけど…今はちゃんと見える。


 手で顔を触れてみると、焼け爛れてボコボコになっていた私の顔がスベスベになっていた。


「はぁ…はぁ…ぐっ…!」


 そして目の前に居る人は、汗を大量に流して、苦しんでいる。



 何があったか分からない。だけど彼が何かしたのは分かる。



 この事は確実だ。



 ぴきん



 私は彼を神と讃えよう。

18時頃にもう1話投稿します!


次回

閑話 逃亡のお姫様


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