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逃亡記  作者: 海星
7/69

作戦

 オーズを麻紐で縛る。

 まるで、縛られたハムのようだ。

 相手は腐っても貴族だ。

 跡が残らないように軽く縛る。

 それがどうもオーズには気に食わないようだ。

 「もっとギュッと縛ってくれ!」

 「そうは申しましても、オーズ様の肌に縛られた跡がついてしまいます」俺は答えた。

 正直、こんなヤツ死んでも良い。

 ただこんなヤツでも利用価値はあるのだ。


 俺は咄嗟に閃いた。

 「もしかしたらオーズ様の希望に添えるかも知れません。

 オーズ様の使用人の中に、魔法で傷の治療が出来る方はいらっしゃいませんか?。

 傷の治療をすれば、全身の緊縛の跡も消えます。」と俺。

 「傷の治療の魔法を使えるヤツならいるがな。

 全身の治療は無理だ。

 魔力が尽きちまう。」とオーズ。

 「ここに尽きた魔力を補う『マジックポーション』がございます。

 これを使えば全身の緊縛の跡が消せるかと。

 ですので、全身食い込むくらい強く緊縛して差し上げられます。」

 「おぉ!『マジックポーション』か!。

 エルグルではほとんど手に入らないんだが、どこで手に入れた?。」

 「今、ヘイムダルが大変な事になっているらしくて、魔術師がエルグルに逃げこんで来てるんです。

 ソイツが食い扶持を稼ぐために『マジックポーション』を作って売ろうとして、私もその儲け話に一口乗ろうとしてるんですけど・・・。」

 「イマイチその話にのってくる商人が少ない・・・違うか?。」

 「その通りです。

 何でわかったんですか?。」

 「我輩の家は代々『マジックポーション』の専売をしていてな。

 『マジックポーション』が大して売れない事は身に染みてわかっておる。

 エルグルには魔術師がとにかく少なくてな、『マジックポーション』の需要が少ないんだ。」

 「そうなんです。

 でももう、魔術師を半年契約で雇ってしまいました。

 『マジックポーション』は他所の国に売る事にします。」

 「わかった。

 我輩を満足させることが出来たら『マジックポーション』の容器を三万個ただでくれてやろう!。

 『マジックポーション』には専売権があって、その容器に入ってないと売る許可がないのだ。」

 「本当ですか!?。

 では心を込めて縛らせていただきます!。」


 (このバケモノめ!。

 死ね!。

 くたばれ!。)


 殺意を込めて、縛ってふんずけた。



 しかし、オーズは大満足だったらしい。

 わからないものだ。

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