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1‐3

入学式は、滞りなく遂行された。

学院長に、都市長、留軍長の長い挨拶を、トウヤは欠伸を噛み殺しながら、ユキハはまじめな顔で聞いていた。


また、特待生の挨拶ではマグナが登壇したが、特に問題なく入学式は終了した。


事故が起きるのではないか…と終始ハラハラしていた教官たち一同はホッと胸を撫でおろしたという…


入学式後、学院全生徒に対して、念話の魔法によりマグナの声が聞こえてきた。


「やっほー!今日はみんなお待ちかねの入学式!式も終わったし、みんなで遊ぼうぜ!

ルールは簡単、魔法封じの領域内での鬼ごっこ!俺たちの特別領域内だから魔法は使用禁止!新入生の参加も大募集!!勝者にはこのアクセサリーをプレゼントだ!これは幸せを呼び込む特別な術式が刻まれている。時間内に、ゼロかモノにタッチできた奴が勝者だ!さぁ、今年ゲットするのは誰だー?」


オオオオオオオー!!!


参加者がその意を叫ぶと、3か所から魔法封じの特別領域展開され、参加の意のあるものを取り込んだ後、領域は球体となり、広場に戻ってきた。


司会用のマイクを持ったマグナが、「ゼロ、もしくはモノを捕まえたら勝利!魔法使用は不可!制限時間は1時間!よーいスタート!」と鐘を鳴らす。


鐘の音を聞き、ユキハとトウヤが漆黒の領域に近づいて行くと、「よう!」とマグナが近づいてきた。


「お前らも参加してくれると思ったんだがなぁ。ま、見学でもして楽しんでってくれや」

「これって…なんなんスか?」

「これは魔法打消しの特殊領域展開だ。この領域の中では魔法が使えないってわけ。教官たちに見つかったら事前に止められちまうからな。だから、俺たちだけじゃなくモノにも働いてもらってたんだよ。例の件は助かった。サンキュな」


マグナはニッと笑いユキハとトウヤの頭をガシガシと撫でた。


「えっと…モノくん狙いの人多いですね」

「魔法抜きだとモノはゼロにスピード面は明らかに劣るし、カッとなりやすい一面もある。だから狙いやすいんだ。

それにモノにとっても、学院生にとってもいい訓練になるんだよ」

「へぇ…ちゃんと考えられてるんだ…」

「うむ。休みの間にどうもみんな体がなまっているようだったからな。訓練の一環になるし、魔法を縛ることで気軽に参加できるだろう」


球の中からゼロが出てくると、「お、早いな」とマグナが声をかけていた。


「どうやら、誰もオレを狙う様子すらなかったからな。最後まで領域が保てるようサポートのために出てきた」


ゼロはそういい帯刀している刀を外し、地面に置くとその場に座り込んだ。

そんな様子を傍に、マグナは2人に視点を向ける。


「へー、2人とも特待生なのかー。優秀優秀!あ、俺らにも学生証もらっていいか?こっちから連絡取れないからな」


2人は頷くとマグナとゼロに学生証を差し出しだ。


『魔法学院マトリア校 銃火器科 1年 特待生 ユキハ=トーシス』

『魔法学院マトリア校 格闘科 1年 特待生 トウヤ=クラウド』


「サンキュ、これから一緒になること多いからさ、よろしく頼むよ」

「こちらこそよろしくお願いします」


暇ならモノの動きを見ていけというゼロの言葉に、マグナからお菓子を受け取り、2人は間食をしつつ様子を見ていると、モノは捕まりそうで捕まらない、ギリギリのラインを駆け巡っていた。


「スッスゲェ…あれ、魔法なしってことは武術だけなんだよな?」

「あれでも、モノは手を抜いてるんだぞ?本気になったらアイツも参加者にも練習にならないからな。あえてギリギリを攻めるように言っている。でも、俺たち特待生にはあれぐらいは軽く求められるんだぞ。ま、お兄さんに任せなさい」


そうマグナが2人の背中を叩くと、領域が解けて消滅し、悔しがる学生20人程と、モノが現れた。


「おーっと!今回はクリア者なしだぁ!でもみんな、このイベント以外にも出店とか楽しみはいっぱいあるからな!今日の祭りを楽しんでな!」


マグナがそう言いイベントを閉めると、マグナ・ゼロ・モノは去って行った。


「な、なんか台風みたいだったな…」

「う、うん…すごかったね…。でも、今日だけは楽しもうよ」


トウヤは頷くと、2人も屋台街へと消えていった。




今思えばここでの出会いが全ての始まりだった。

ここから始まる物語。

私とあなた、そして彼との物語ーー

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