6/8
詠真の本当の【願い】
『…ねぇ?詠真ちゃんは、自分が生き還りたいと
思わないの?どんな願い事でも叶うのに…』
再び、刻の狭間に戻って来た詠真に問い掛ける
少年の表情は…何処か悲しげだった。
『エマはね…もういっぱい貰ったからいいの。
パパとママ…お姉ちゃんに、たくさん愛して
もらったから!だからね?最後のお願いは…』
突然、詠真の表情が曇り…その大きな瞳からは
涙が溢れ落ちそうになっている。
『もし…本当に生き還れるなら…一年前、エマを
庇って死んじゃった、ヒロトお兄ちゃんを……
お兄ちゃんを、エマの代わりに生き還らせて!』
大きな瞳から惜しげもなく、ボロボロと
涙を溢しながら…少年を見据える詠真。
一年前、横断歩道を渡る途中で発作を起こし
動けなくなった詠真を庇って、車に惹かれ
亡くなった、6歳上の幼馴染みの少年…
大翔を生き還らせて欲しいとー・・・
でも、その願いは……




