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刻の狭間の少年
『小鳥遊 詠真、享年6歳。
先天性の心臓疾患により死亡…か。可哀想に』
漆黒の燕尾服に、白い革手袋…
目元を覆う【仮面】を付けた少年が呟く
『エマ…死んじゃったの?』
大きな瞳を潤ませ、少年を見つめる詠真。
生まれつき心臓に疾患があり、物心つく前から
入退院を繰り返していた。
楽しみにしていた小学校入学の前日に
発作を起こし、その大きな瞳が再び開く事は
なかった……筈なのに?
『僕は死んでしまった人の魂を、神様の元へ
届ける…死神みたいな?モノなんだ』
優しく微笑む少年。