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第2話 戯言ハイキング

話が全然進まない。面白い(当社比)展開に持っていくのにかなり時間が必要っぽいです。

「はぁぁぁぁ、疲れてきた」

「ん、ずいぶんバテルの早いな、まぁ運動不足か」

「あっあなたが、なぜか急に、話しかけてきたと思ったら、急に、手をつかんで走り出したからじゃないですかぁ!」

「えぇ~、俺的には助けてあげたつもりだったんだが」

「まぁ、これでトップには出れましたけど」

「おーおー熱いね~、痴話喧嘩かな~」

 突然後ろから声が聞こえた。びっくりして振り向くとそこには、女が走っていた。

きれいな赤色の髪をポニーテールにしている。さっぱりした感じの女子生徒だ。

「いっや、いやそんなんじゃないですよ全然!」

 そこまで否定しなくてもいいだろうに。本人の前で・・・ひどくね。

「ふーん、そう。あと一様私を追い越すのは禁止ね」

「はぁ!」

 なんで、あんたを追い越しちゃダメなんだよ。と思ったがここまで自信満々に言われるとこっちが不安になってくる。というかよくよく見たら腕に腕章つけてる。ということはつまり。

「はっ、はい。すいません、紅姫さん」

えらく上ずっている。パッと見、人によって態度を変える人間には見えなかったが。

「あの試験官のこと知っているのか」

聞いた途端に彼女は目をひろげて言った

「しっ知らないんですか!」

「んん~、記憶にない。」

「アポロン魔法教育学園のマスターランク(・・・・・・)ベスト4の《戦場の舞姫》紅姫朱璃さんですよ‼‼」

「マスターランクベスト4てっことは、あいつと同じ魔法学園最強候補の一人か」

 俺が急に声をデカくしたのでびっくりしたのか若干彼女が引いている、感じがする。

ん?彼女?・・・あぁまだ俺名前聞いてなかったな。

「少し遅いがおれのなまえは瑝架慎(オウカ シン)な。よろしく」

「あ、あぁ、私は南皇院綾(ナンコウイン アヤ)です。できれば名前で呼んでください」

「あぁ、わかったアヤ。俺のことは好きに呼んでいいよ」

 (いきなり呼び捨て・・・、若干恥ずかしい)

「じゃ、じゃあ私は瑝架君で」

 すこし雑談していると紅姫先輩が

「おぉーい、そろそろ1000m地点だ。これ以降は追い越しOKだ。進める者はどんどん進んでいいぞ。基本的には一本道だから迷うことはないはずだ」

 たぶんすぐ目の前にある広場だろう。

「ようっし、じゃあそろそろ本腰入れるか。綾はどうする」

「あっ、じゃちょっとだけ待ってくれますか。少し準備しますから」

 そういながら綾はポーチからなにかをとびだした。

「ん?、それ、ネックレスとピアスと腕輪に指輪・・・一体何するつもりなんだよ」

「見ててください。・・・できた。」

「綾・・・?」

なぜか急に立ち止まったかと思うと・・・

「ルゥ~~~♪ワァ~~~♫、アァ~~~♬」

 (歌い始めた・・・ん、ただの歌じゃぁないな。え、えーと・・・讃美歌か?。しかもこれは魔法(・・)だ)

 ずいぶん気持ちよさそうに歌うな~。なんて思っていると彼女の体が淡く光りはじめた。

「もしかして・・・精霊を自分の体内に召喚したのか?どう考えても身一つでできるレベルの魔法じゃなかったはずだが・・・」

 もしかして見た目に反しかなりの凄腕なんだろうか、まぁ俺が普通というわけではないが。

「まぁ、私は才能のほとんどがここに偏ったってだけですから・・・。これでも親戚には凄腕の魔法士がたくさんいるんですよ。あぁ、あとこのアクセサリーの補助がなくちゃとてもできないですよ」

 改めて見てみるとアクセサリーすべてが光っている。魔法具、いやたぶん魔道具ってレベルかな。

「代々伝わる宝物、とかそんな感じか?」

 精霊魔法はかなりのレアものだ。さっきの感じからして結構いい家柄なんだろうがそれでも早々買えるものでわないだろう。もちろんその家柄が俺の想像を超えてたら別だが。南皇院か・・・うん、さっぱり記憶にない。

「ああ、いえ違います。これは兄からのプレゼントです」

「兄貴ねぇ~。けっこう離れてんの」

 たぶん25にはなっているんじゃないか。魔道具を妹にプレゼントするぐらいだ。かなりの強者なんだろ。

「いいえ、えーとっ、今年で17才ですかね」

「わかっ、(想像を超えてるかも)ん、てことは綾の兄貴はアポロン学園にいるのか」

「ええ、たぶん・・・」

 たぶんってなんだ。それくらい知ってろよ。

「あの人は、家出同然に飛び出していきましたから。そのあと私に手紙でアポロン学園に入学したと報告が」

・・・俺の兄貴と似ていると感じるのは気のせいか。

「1か月に一度くらい手紙がくるんですよ。なぜか起きたら部屋の前に落ちていたり」

 それは見様によってはストーカーみたいだな。ある意味すご。

「たぶん、召喚獣を伝書鳩のように使っているんだと思いますけど」

 いや、本当で意味ですごかった。召喚獣って出している限りずっと魔力を消費するんだったよな。どんだけ無駄遣いだよ。

「大体予想できるけど一応聞いとくな。そのアクセサリーの時はどうだっだ」

「夢の中に兄が出てきて、僕の手作りのプレゼントだ。受け取ってくれ。と、起きたら本当にプレゼントが」

 普通に予想以上だった。夢に出るとかどんだけだよ。魔法の無駄遣いにもほどがあるだろう。

「その、お前の兄貴は強いん・・・だよな?」

 それはただの変人なんじゃないか、という意味も込めて聞いてみる。

「うーん、あの人の全力はたぶん見たことないですかねー。でも私と違って兄は神童と呼ばれていましたから。かなり強いはずです」

 ふーん。家出の理由は自由になりたかった、とかだろうな。天才ゆえの悩みってやつかな。

「おーい、もーちょっと飛ばしてもいいんだぞー。というか追い越されるぞ」

 後ろを見るとちらほら受験者が見えた。

「よーし、飛ばすぞー」

「えっ、ちょっ、いくら精霊を宿したからと言っ」

 問答無用。俺は綾の手を掴んで一気に後続を引き離しにかかるがさすがはトップ集団だ。なかなか引き離せない。

「はっ、飛ばすぞー」

「手を離してぇぇぇぇぇぇぇ」

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