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姫の頼みと光輝の選択



「光輝様、目を覚まされたのですね。少々お話する時間をいただいてもよろしいでしょうか?」


 光輝が了承すると、綺麗なドレスを着た少女は、付き人を連れ部屋に入り、ベットに横になる光輝の前へと立った。


「はじめまして光輝様。私はガラン王国第一王女メラニー・ガランと申します。まだ体調が優れない中、押しかけてしまい申し訳ありません。光輝様、どうか私のお願いを聞いてはいただけないでしょうか!」


「……どうするかはお話を聞いてから判断します。(爆発の犯人が俺であることはバレてないのか?)」


「わかりました。単刀直入にいいますと光輝様に戦争を止める手伝いをして頂きたいのです。」


「俺がですか?」


「はい。王と謁見の間で顔を合わせた時に隣に男がいたのを覚えていますか?」


「いましたね。」


「彼の名前はノエル・サエール。実質的なこの国のNo.二です。上層部は彼の部下で固めらていて今では私の父もノエルの言いなりになってしまいました、ノエルは魔物のことではなく、戦争に勝ち国を乗っ取ることしか考えていません。」


 (謁見の間の時点でわかっていたことだが、転移者が魔物を滅ぼして終わり、というほど簡単にはいかないようだ。)

「私や伯父様が何度も止めたのですが、聞き入れて貰えず、このままでは人間同士でまた大きな戦争画起こってしまいます。」


「それで俺に戦争を止める手伝いをしてくれと」


「はい!謁見の間での話にも出ましたが、転移者様たちはこの世界の言葉を勉強しているとはいえ、使えるようになるにはまだまだ時間がかかります。ですがあなたが説得してくれれば転移者様たちが全員我々の味方になってくれるかもしれないのです!」


「……なるほど。でしたら、申し訳ないのですがお力になるのは難しいかもしれません。」


「何故ですか!もちろん報酬もお支払いしますし!なんなら私が叶えられる限りのことはなんだってします!」


「いや、報酬がどうとかではなく。私は彼らと……親しくないのです。謁見の間でのハヤトの行動を見ていたならわかると思いますが嫌われてすらいます。なので申し訳ありません。」


「そうですか……では仕方ないですね。私なら謁見の間での爆発を有耶無耶にすることができるのですが。協力していただけないのではしょうがないですね〜。」


「姫様!どうか、この私めにその大役任せてはいただけないでしょうか!(やっぱりバレてた!)」


「では、よろしくお願いしますね!」


 姫様と付き人はベットに頭をつける俺を横目に扉の前へと向かった。

「ああ、それと言い忘れてたのですが。謁見の間での爆発の件ですが。魔物コアではなくハヤト様の魔法が暴発したと考えられているみたいですよ。では、光輝様。お早い回復をお祈りしています、失礼しました。」


 姫様は光輝に言いたいことを言い終えると光輝の休む部屋から出た。

「あ〜……クソ!あの見た目ではったりかませるのかよ……」


「えっと……光輝くん?お姫様と何話してたの?」


「(こうなったらやるだけやるしかないか……)委員長悪いんだけど他のクラスメイトに伝言を頼みたいんだけど。」


 光輝は「お前たちは魔物と戦うためではなく人間同士の戦争に巻き込まれそうになっている。それが嫌なら翌日俺の休み部屋に来い。」と伝言を委員長に頼んだ。


 翌日。光輝が運ばれてきた程々に豪華な食事を取っているとノックもなしに扉が開き十数名のクラスメイトがゾロゾロと部屋に入ってきた。

「光輝くん、おはよう!言われた通り伝言は全員に伝えたよ。……まぁあ男の子のほとんどは「戦争上等!」って感じで無理だったけど……」

 集まったのは女子がほとんどで男子は三人しかいなかった。

 (まぁ想像通りといえば想像通りかな……)

「それで?私たちが戦争に巻き込まれるってほんとなの?」


 この世界に似つかわしくないメイクをしている女子が光輝に質問を投げかけた。

「謁見の間で王様や偉い人の口から聞いたから間違いないよ。」


「私たち神様から戦う力以外貰ったのに戦えるわけないじゃん!」


「そういうのは俺じゃなくて王様に話してね〜。まぁ、お前らのほとんどが人どころか動物する殺せないって伝えても戦わせる気満々って感じだったけど。」


「ごめんね光輝くん、みんな同様してるの……光輝くんがここにみんなを集めたってことは考えがあるんでしょ?私たちはどうすればいい?」


「姫様に言われたのは戦争に参加しないよう説得してくれってだけだったんだけど……なぁ俺と一緒に飯屋やらないか?」


「飯屋?」


「そう飯屋。お前らが戦争に参加するのを断ったら当然城を追い出されるだろ?そうなったら行く場所あるの?」


「そんなのあんただって同じでしょ!」


「俺はあるんだな〜これが。先にはっきりさせおくけど、もし一緒に来るとしたら俺の言うことは絶対聞け。言うことが聞けないなら出ていってもらう。」


「なんであんたの言うことなんて……」


「当たり前だろ?俺の金で店を建てて、俺の金で料理を提供するんだ。お前たちと俺は同列じゃない。」


「…………私は行くよ。戦争に参加するくらいなら光輝くんと一緒に働いた方がずっと楽しそうだし。」


「委員長が行くなら私も!」


 結局その場に集まった全員で店を営業することになり。光輝たちが王様に戦争に参加しないことを伝えると、驚くほどあっさり了承され、光輝とクラスメイト十四人は城を後にした。

 

 

クラスメイトの女子のほとんどは戦闘系ではなくコスメなどの美容用品を取り出す力をもらってます。三人の男子は充電のなくならないゲーム機を持ち込みました。旅行気分ですね、馬鹿ですね。

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