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二号店と私兵

めちゃ短



「いらっしゃいませ!」


 あれから二ヶ月。ガラン王国の協力もあり、スラム街はみるみる清潔さを取り戻し。無事に二号店を建てることに成功した。


 初めは、今は綺麗とはいえスラム街だったということもあり客足は少なかったものの。ダンジョン探索者をきっかけに、噂は広がり、すぐに繁盛するようになった。


 従業員はスラムにいた女性十人で、出勤前に魔物のコアを触り魔力を徴収している。集めた魔力のほとんどはガラン王国に譲り、残りを自身たちで管理している。


 そして私兵はというと……。

「ダメだ……!勝てる気がしねぇ!」


 スラムの男性三十人ほどに光輝やメラニー姫直属の兵士が訓練を付けていた。

「やっぱ、ダンジョンで魔物と戦うのと人間と戦うのじゃ訳が違うな……。」

  

「それに相手は本職の兵士だろ……勝てねぇって。」


 スラムの男性たちは午前は兵士と合同訓練。午後はダンジョンに潜り探索&魔物との戦闘経験を積んでいた。


 訓練の成果もあり男たちは日に日に強くなっていたがメラニー姫の兵士には手も足も出なかった。

「そう考えるとルイスは凄いよな!直属の兵士と渡り合ってるんだぜ!」


 ルイス・サルディネロ 三十二歳。スラムの男たちの中で一人抜きん出た強さを持っている。剣の腕 魔力 身体能力 どれをとっても戦うために生まれてきたと考えさせられるほどだ。


 (ルイスさん以外の人も、もう少し頑張ってもらわないとな……)


 光輝はスラムの男たちを自身の元に集合させた。

「今から皆さんには木剣ではなく素手で訓練してもらいます。」


「光輝さん。なぜ素手の必要があるんだ?」


「俺は皆さんに王国の兵士と同じ戦い方をしてもらいたい訳じゃないんです。そうだな……ルイスさん少しいいですか?」


 光輝はルイスを呼びだし、光輝とルイスの組手が始まった。

「本気でいきますよ?」


「大丈夫です。」


 魔力を持たない光輝はスクロールを一つ使い戦闘を始めた。


 先手を取ったのは光輝。光輝はスクロールから流れた魔力をルイスの視界を遮るように小さな炎の玉を放出した。


 それをルイスは余裕を持って躱し、光輝へと向かい治るが今度は砂による目潰しを食らい、光輝にそのまま倒され押さえつけられてしまった。

「俺は剣の腕を磨いて欲しい訳ではなく、対一の戦闘能力を上げて欲しいんです。もっとズルく戦いましょう。」


 その日を境に。光輝のアドバイスにより光輝の私兵はメラニー姫の兵士を倒すほどに強くなっていった。

  

 

 

 


 

 

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