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三カ国会談



「さて、食事も終わったことですし。三カ国の今後について話し合いましょう。」


 委員長が落ち着きを取り戻すのを待ち。【ヒノマル】の料理を三カ国の代表に提供した。

「その前にだ光輝。」


「どうかしました?」


「この料理を作ったの誰だ。」 



「すまないが呼んでくれないか。」


 俺は委員長を含む女子五人を王様たちの前に呼びつけた。

「この料理は六人で作ったのか?」


「……そうですけど、お口にあいませんでしたか?」


「……………………」


 サリムは口を開ないまま女子たちの前に立った。

「お前たち……エルマン王国の料理人……いや!俺の妻になる気はないか!?」


「背も高いし顔もイケメン………」「それに王様…………」


 女子たちは顔を見合わせ話し合った。

「ごめんなさい……私にはこのお店があるので……」

 

「ま、委員長がそう言うなら私たちもやめとくか!


「結構楽しくなってきたしね!」


 女子たちはサリム王の誘いを断り厨房へと戻っていった。

「ハハハハ!振られてしまった!だが俺は諦めんぞ!」

 

「光輝殿……できればでよいのだが、私にこの料理のレシピを教えてはいただけないだろうか。」 


 サリム王に続きカールさんとレイナルド王も料理を気に入ってくれたようだ。

「その話は後にして、そろそろ本題に移りませんか。」


 王たちの顔つきが変わり、いよいよ三カ国+aの会談が始まった。

「本題と言ってもレイナルド王以外のお二人とは既に話し合意をいただいております。」


「聞かせてくれ。」


「端的に言うと。レイナルド王、いえ、ガラン王国にもヴィッセン エルマン王国の同盟に参加していただきたいのです。」


「待て光輝!お前はガラン王国からの使者として我々の国を訪ねたのではなかったのか!」


「私はガラン王国から来たとしか言っていませんよ。」


 (てっきりヴィッセンと俺のエルマン王国に恨まれていたから使者と勘違いしていた……いや、させられていたのか?)


「それで、どうします?レイナルド王」


「……わかった。同盟に参加しよう。」


「よかった。これで次の話に進ます。御三方に聞きたいのですが。魔物のコアの最大の利点はなんだと思いますか?」


「そりゃ当然、兵器としてのポテンシャルだろ!魔物のコアを戦場で使うようになってから戦況が一気に傾いた!」


「私もそう思う。あれを数発投げ込むだけで魔物の大軍が半壊する。」


 (サリムさんとレイナルド王は同じ意見か。)

 

「カールさんはどう思います?」


 カールは少し悩み口を開いた。

「魔力……エネルギーの貯蓄。」


「正解です。レイナルド王には以前も話しましたね。魔物のコアの恐ろしいのは魔力を貯蓄できることだと。」


「あぁ、確かに聞いた。だが兵器以外への使い道がないのでは同じではないか?」


「それが違うのですよレイナルド王……これをご覧ください」


 そう言いカールは一つの小さな箱を取り出した。

「これはヴィッセンにいら優秀な魔道具士アードルフから光輝殿にと預かったものです。」


 カールは小さな箱の扉を開けて三人に見せた。

「これは【冷蔵庫】というものらしく。氷の魔力が込められた魔物のコアを使い、食材を冷やし長持ちさせるためのものだそうです。」


「それがどうした?スクロールで似たようなことをやっているではないか。」


「スクロールには使用制限があり、スクロールに貯蓄されていた魔力が無くなると新しいスクロールを手に入れる必要があり、コストがかかりました。ですが魔物のコアなら魔力を込めるだけで何度でも使用ができる。」


「?分からねぇな。だからなんだってんだ?」


「ハァ……つまりだな魔力に資産的価値が生まれるんだ。光輝殿はアードルフに【コンロ】や【オーブン】【風呂】なんかも依頼していて、その全てが魔物のコアを使うそうだ。」


「生活の全てが魔物のコアで事足りるようになれば、人間の中に流れる魔力は金として取引されるようになるだろう。」


 カールを除く二人の顔は驚き固まっていた。

「流石はカールさん。ただ魔力に価値が付くとなれば当然、問題もつきまといます。」


「……奴隷か」


「そうです。なので、まずは三カ国で奴隷禁止の宣言、それから国家間以外の魔力の売買を禁止します。」


「実行に異論は無いが。果たしてそれだけで上手くいくか?」


「ダメでしょうね。なので奴隷を購入または手放さなかった貴族などからは財産を全て没収します。」

 

「それでは貴族から無用な反感をかうのではないか?」 


「そこは飴と鞭、貴族の遊びとして【トランプ】や【チェス】を貴族にのみ普及させます。」


「それも異世界の物か……」 


「他に提案があれば今のうちに話し合いましょう。」


 夜遅くなるまで四人の会談は続いた。

「そういえばレイナルド王。お伝えし忘れていたことがありました。」


「なんだ?」


「スラムに住む住人を私の元で働かせようと思っているのですが、よろしいでしょうか。」


「好きにして構わん。」


「ありがとうございます。」 


 

 


 

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