帰還と謝罪
前回、エルマン王国の国王の名前がヒヴァになっていましたが正しくはサリムです。申し訳ありませんでした
━━━━━ガラン王国 王城━━━━━
(光輝殿がいなくなって数ヶ月……魔物による進行をうけたが、光輝殿から教えられた投石器で近づけることなく撃退できた。恐らく既に、この技術は他国へも知られているだろう。こんなことになるなら力ずくでも拘束しておくべきだった。)
レイナルド王は書斎で大量の書類に目を通していた。
「大変ですレイナルド王!」
「ノックもせずに部屋に立ち入るとは……余程のことなのだろうな……」
「申し訳ありません!ですが緊急事態なのです!魔術都市ヴィッセンのカール・シュトゥーベンと名乗るお方が門の前に!」
「偽物ではないのか!?」
「厳重な警護に守られていたので恐らく本物かと……いかがなさいましょう?」
(何が起きている……カール殿は何を考えているのだ……)
「レイナルド王!エルマン王国からサリム様一行が!」
「……儂が出向く」
━━━━━ ガラン王国 城門前━━━━━
「どういうことだ光輝殿!なぜサリムにだけ、その料理を!」
「 俺の方がお前よりも大切ってことだろ!なぁ光輝!」
「まぁまぁ……カール様にも是非召し上がっていただこうと思っていますよ。」
「本当だな!約束だぞ!」
(一体何なのだ……なぜ光輝が二人と一緒に……)
「……?あ、レイナルド王!お久しぶりです!」
「あ、あぁ光輝殿。久方ぶりだな。一つ尋ねたいのだが、これは一体どういう……」
「突然の来訪申し訳ないレイナルド王。私たちは国の代表同士で今後について話し合うため馳せ参じた。」
「あ、あぁ。わかった!急ぎ会談の場を用意させよう!」
「待ってくださいレイナルド王!話し合う場所は事前に決めてあります!」
「それは一体どこだ?」
━━━━━ 飯屋【ヒノマル】━━━━━
「いらっしゃいま……って光輝!」
「えっと……ただいま。上手くやってくれてるみたいで助か……」
元クラスメイトのギャルの平手が光輝の頬を叩いた。
「あんた今まで何して……それよりも!委員長に謝りなさい!アンタの言葉で委員長がどれだけ気づ付いたと思ってんの!」
光輝はテーブルを拭いている委員長と目が合い、委員長の前へと近づいた。
「委員長。あの日、巻き込まないためとはいえ酷い言い方をしてごめん。」
「……私たちのことを思っての言葉だったんだよね。」
「え?」
「お姫様が教えてくれたの。私たちが戦争の道具にされそうなのを防いでくれたのが光輝くんだって。今回のも光輝くんの行き先を知ってたら危険な目にあうかもしれないからだって。」
「……………………」
「だから今回のは許してあげる。」
「……委員長ありがとう」
仲直りが終わり、気まずい空気が流れた。
「まだか光輝?」
気まずい空気を断ち切るように三国の代表が店に足を踏み入れた。
「すいません、まだ営業時間外で……」
「あ、この人達はいいんだ。俺が招待したんだ。」
「えっと、光輝くんの知り合い?」
「右からエルマン王国の国王サリムさんに。ここ、ガラン王国の国王レイナルド王。そして最後に魔術都市ヴィッセンの最高責任者のカールさん。」
「え、ええええええええぇぇ!!」




